レモンとライムの香りは何が違う?それぞれの精油を上手に使い分ける方法

※本記事にはプロモーションが含まれています

水の中のライム、レモン、ミント

だれもが知るレモンやライムの香りは、爽やかな柑橘精油としてアロマテラピーでも定番中の定番です。

香水のトップノートの香りとしても、ごくごく一般的。


さて、それではこの「レモン」と「ライム」の香りの違いは??


実際に嗅いでみると似ているようでやっぱり違う。

でもどこがどう違うのかといわれると説明しづらい。

今回はその微妙な「香りの違い」について、その正体を探ってみました。


これできっとレモンとライムの精油をうまく使い分けられるようになるはずです!

レモンの香りはクリアな酸味、ライムの香りはキレのある苦み

カットしたレモン、ライム

レモンは、クリアな酸味が特徴のフレッシュなシトラスノート

キュッとする鋭い酸っぱさと、弾け飛ぶような明るさを感じさせる香りです。


一方のライムは、甘さと苦さが混じり合ったまろやかなシトラスノート

酸味は控えめながら、ピリッとしたキレとさっぱりしたドライな印象を与えてくれます。


どちらも柑橘特有の爽やかさがあり、軽快で親しみやすい雰囲気を作りたいときに大活躍してくれる香りです。

どちらか一方をもう片方の代わりに使ってもOK。

でももし両方持っているのなら、せっかくなので2つの香りの違いを知って自由に使い分けてみましょう!

レモンとライムの香りの共通点・違い

レモンとライムのスライス

それではさっそくレモンとライムの香りを比べて、その共通点と違いを探っていきましょう。

成分構成

レモンもライムも、成分構成の大部分を占めるのは「テルペン類」です。

ジューシーなd-リモネン、ほんのりウッディなβ-ピネン、ハーバルなγ-テルピネンなどがこれに当たります。

「構成成分のほとんどがテルペン類」というのは多くの柑橘類に共通の特徴ではありますが、テルペン類には全体の香りに影響を与える強さや個性はそこまでありません。

柑橘の香りの違いを知るには、そのほかの微量成分に注目する必要があります。


レモンとライム特有の香りを作り出しているのは「シトラール」という成分です。

これはハーバルシトラスの強い香りで、レモンマートルやレモングラスに含まれている成分です。


さて、ここまでの特徴(テルペン類+鮮烈なシトラール)はレモンとライムどちらにも共通しています。


レモンはこれに加えてローズ系のフルーティフローラルな成分、とくにノナナール(アルデヒドC9)の影響を強く受けます。

そのためレモンは「華やかで弾けるような明るさ」「鮮やかでみずみずしい酸味」を感じるクリアな印象のシトラスノートになります。


一方のライムは、ユーカリ香の1,8-シネオール、ウッディなゲルマクレンB、フレッシュグリーンなデカナール(アルデヒドC10)などの影響を受けています。

そのためライムは「清涼感のある爽やかな苦み」「ピリッとしたドライなキレ」を感じる酸っぱすぎないシトラスノートになります。

ブレンドのコツ

レモンもライムもフレッシュなトップノートとしてどんな香調にもブレンドできます。

とても揮発しやすい香りなので、たくさん使ってもはじめにパッと香って早めに消えていきます。

レモンやライムの香りを長く香らせたいときは、ブレンドする量を増やすのではなく、比較的持続力のある柑橘精油などと組み合わせて使いましょう。(ベルガモットかプチグレンがおすすめ)


レモンは「きらめき」「みずみずしさ」「目の覚めるような酸味」などを与えたいときにブレンドすると効果的です。

ライムよりも直線的・刺激的にシトラスノートが香り立ちます。


ライムの方は「爽快なキレ」「さっぱり感」「トロピカルな雰囲気」などを与えたいときにブレンドするとよいです。

「レモンより甘さと深さのあるシトラスノートがほしい(でもオレンジじゃ甘すぎる…)」というようなときにもピッタリ。

独特の甘苦さやグリーン感も持っているので、ほかの柑橘精油の変調剤としても使えます。

レモンとライム、それぞれ相性の良い精油は?

水の中のレモン

レモンもライムも基本的にはどんな香りと合わせてもOKですが、ここではとくに相性抜群のおすすめの組み合わせをご紹介します。

レモン

  • レモン+ベルガモット
    トップノートにキラキラと輝くような華やかさがほしいときに。
    レモンの鋭さを丸め、香りに奥行きも出してくれます。
  • レモン+ローズ
    日差しの降り注ぐローズガーデンのような明るい香り。
    ゼラニウム、パルマローザなど、ローズ系の香りも◎。
  • レモン+ローズマリー
    地中海のカラッとした空気感を表すカジュアルな組み合わせ。
    「集中力アップブレンド」としてアロマテラピーでもおなじみです。
  • レモン+ジンジャー
    料理やドリンクでも鉄板の組み合わせ。
    強い刺激をやわらげる、料理でいえば「ハチミツ」的なソフトな香りを足しましょう。

ライム

  • ライム+ユーカリ
    共通の成分を含むため相性抜群。薬草感のあるさっぱりとした甘さはクセになります。
    ユーカリではなくペパーミントだと、もっとトロピカルな清涼感に。
  • ライム+リトセア
    リトセアを少しだけ足すと、ライムが持つ甘みとシトラス感がくっきりと際立ちます。
    レモングラスでもOK。
  • ライム+シナモン
    この組み合わせは「コーラ」でおなじみ。
    ほかにクローブ、ナツメグ、バニラなども少しずつ足してみましょう。
  • ライム+サンダルウッド
    メンズフレグランスにもおすすめの官能的な組み合わせ。
    フローラルノートを何か1つ足すと香りがまとまります。

レモン・ライムのレシピをテーマ別に考えてみよう!

レモンウォーターのグラス

それでは実際に、レモンを使ったレシピ・ライムを使ったレシピをそれぞれ考えてみましょう。

①夏に似合う爽やかな香りを作りたい!

暑い季節には爽やかなシトラスノートが恋しくなります。

リゾート気分に浸れるような涼し気な香りを作るには、どんな香りを組み合わせたらよいでしょう?

それぞれの産地(レモン=地中海沿岸、ライム=カリブ海・中南米)の輝く太陽、海、爽やかなそよ風をイメージしてレシピを作ってみましょう。

レモン

レモン×3、ベルガモット×1、ネロリ×1、ラベンダー×1、ローズマリー×2

地中海のキラキラした明るい太陽をたっぷり浴びて育った果実・花・ハーブをブレンド。
レモンは明るく楽しい雰囲気を演出するのにもっとも適した香りです。

ライム

ライム×4、ペパーミント×2、イランイラン×1、パイン×2

ライム+ペパーミントといえば、トロピカルカクテル「モヒート」の香り。
南国の花イランイランとフレッシュウッディなパインを合わせて全体をまとめます。

②1日の始まりにピッタリな元気の出る香りを作りたい!

柑橘のフレッシュな香りは、朝のエネルギーチャージにピッタリ!

頭の中がスッキリしてシャキッと背筋が伸びるような香りを作ってみましょう。

レモン

レモン×3、マンダリン×1、バジル×1

レモンは頭をクリアにする香りとして有名です。
同じく集中力アップのバジル(ローズマリーでもOK)を組み合わせて、ぼんやりした頭をスッキリさせましょう!

ライム

ライム×4、ユーカリ×1、リトセア×2

清涼感のある甘いキャンディみたいな香り。
気分が明るくなって、今日1日のやる気とエネルギーが湧いてきます。

③シトラスが主役のライトなフローラル調を作りたい!

花の香りにレモンやライムを合わせると、たちまち軽やかで幸福感あふれる香りに!

美しく咲いた花に太陽のまぶしい光が降り注いでいる場面をイメージして、レシピを考えてみましょう。

レモン

レモン×4、ローズオットー×1、パルマローザ×2

シトラス感あふれるローズの香り。
晴れた日に咲いたばかりのローズの香りを思いきり吸い込んだときのような幸福感!

ライム

ライム×3、ジャスミン・サンバック×1、ベンゾイン×1

ジャスミンよりもグリーンニュアンスの強いジャスミン・サンバック。
さっぱりとしたライムの香りがよく合います。ベンゾインで甘さも補強。

④ジューシーで甘酸っぱい美味しそうな香りを作りたい!

レモンやライムは美味しいデザート、ドリンクなどに欠かせません。

料理レシピを参考にして組み合わせを考えてみると、香りの世界も楽しみもぐんと広がります!

レモン

レモン×5、ベルガモット×2、ジンジャー×1、メリッサ×1

定番の「レモンジンジャー」の香り。
メリッサが香りの粗さをやわらげ、深みを出してくれます。

ライム

ライム×5、オレンジ・スイート×2、シナモン×1、コリアンダー×1、バニラ×2

「コーラ」風の香り。
ライムはスパイスととにかく相性が良いので、いろいろな組み合わせを試してみましょう。

⑤重厚な香りに軽やかシトラスを合わせたい!

レモンやライムが役立つのは軽い香調ばかりではありません。

濃厚な香りに爽やかな柑橘をブレンドすることで、コントラストの効いた躍動感のある香りが作れます。

レモン

レモン×2、イランイラン×2、パチュリ×1

レモンとイランイランの同量ブレンドは、華やかフレッシュな甘いフローラルノートを作ります。
重ための香調のトップ~ミドルにおすすめの組み合わせ。

ライム

ライム×3、ジャスミン×1、サンダルウッド×2

ドライな印象のライムは、香りをフェミニンに偏らせたくないときに使うのも効果的。
重く沈みがちな香りにはピリッとしたアクセントを与えてくれます。

まとめ

レモンとライムの「香りの違い」と具体的な使い方、テーマ別のレシピを考えてみました。
いかがでしたか?

それぞれの特徴を活かして効果的に使い分けられるようになれば、きっと香りのブレンドが今よりもっと楽しくなるはずです。


なお、レモンもライムもとても酸化しやすい精油です。

酸化してしまった柑橘精油はどれも同じような冴えない香りになってしまうので、ぜひ新鮮なレモン精油・ライム精油を使って、その香りの違いを存分に楽しんでくださいね!