広島県生口島|レモン生産日本一!太陽と潮風を浴びて育つ「瀬戸田レモン」の産地

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多々羅大橋とレモンの木

瀬戸内海に浮かぶ生口島(いくちじま)、またの名を「レモンアイランド」!!

小さな島にもかかわらず、国産レモンの生産量は日本一。

甘味と酸味が強くて美味しい&防カビ剤を使わない「瀬戸田レモン」の産地として広く知られています。


秋にはグリーンレモン、冬~春にかけてはイエローレモン、初夏にはレモンフラワーと、季節によっていろいろなレモンを楽しませてくれる生口島。

今回は、イエローレモンの収穫もそろそろ終盤という4月はじめに、この島を訪れてみました。

瀬戸田レモンってどんなレモン?

「瀬戸田レモン」というのは、瀬戸内海に浮かぶ「生口島(いくちじま)」と「高根島(こうねしま)」で生産されているレモンのこと。

減農薬・減化学肥料でていねいに育てられたレモンは「せとだエコレモン」とも呼ばれ、国から特別栽培農産物の認証を受けています。

通常のレモンよりも糖度が高く、皮まで美味しく食べられるのが特徴です。

青空とレモン畑
生口島のレモン畑

生口島は、傾斜地が多く日当たりがよい地形、雨が少なく温暖な瀬戸内海式気候という、レモン栽培にぴったりの環境。

そのため、明治時代から本格的にレモン栽培がはじまりました。


その後、輸入レモンの勢いに押されたり、輸入レモンの防カビ剤問題で国産レモンの価値が見直されたりと紆余曲折があった後、島の農家の一致団結によって、安全面&風味にこだわった「瀬戸田レモン」のブランドが確立したそうです。


豊かな環境、愛情、プライドで育てられた極上のレモン。

現地でその姿を見るのが楽しみです!

今治港からフェリーで出発!

本州の尾道(広島県)と四国の今治(愛媛県)のあいだの瀬戸内海には、芸予諸島の島々が点在しています。
(生口島はそのうちの1つ)

島と島は橋で結ばれていて、「しまなみ海道」と呼ばれる自動車道でつながっているので、本州から四国まで瀬戸内海の上を一気に走り抜けることができます。

そしてそれぞれの島や橋にはサイクリングロードも整備されていて、自転車での横断・移動も可能。


今回は「生口島のレモン」というピンポイント&ゆるい目的のため、車ではなく自転車を使うことにします。(生口島まではフェリー)



さて、このしまなみ海道で生口島が位置するのはちょうど真ん中あたり。

尾道側から出発するか、今治側から出発するかは迷うところですが、尾道からだと生口島までのフェリーがあり、今治からだと隣の因島(いんのしま)までフェリーで行って橋を渡って生口島へ行くというコースになります。

とりあえず、[ 今治からフェリー → 因島で自転車レンタル → 生口島レモン巡り → 一泊 → フェリーで尾道 ]という感じの計画にしてみました。




というわけで、今治港へ。

船の形をした今治港
船の形をしたオシャレな今治港

外観もオシャレなターミナルですが、2階には海を眺めながら休憩できる明るいラウンジもありました。

1階の券売機で乗船券を買ったあとは、船が出るまでここで休憩。

船
今治発のフェリー
船の座席
フェリーの2階

今治発のフェリーは、途中の島々を経由して因島の「土生(はぶ)港」まで運航します。

潮風を感じながら、1時間ちょっとの船旅。

波しぶきをあげて進む船
遠ざかっていく今治の街

因島に着いたら、さっそく港にある「しまなみレンタサイクル」で自転車を借ります。

この日は平日だったので大丈夫そうでしたが、一応予約していきました。

このレンタサイクルは、ここで借りて生口島で返却してもOKということなので、時間いっぱい生口島を満喫できそうです。
(貸出・返却ターミナルは、尾道ー今治間に10ヵ所あるとのこと)

青い海と黄色い自転車
レンタサイクル

自転車で因島の町中をしばらく進むと、青い海の上に架かる橋が見えてきます。

これが因島と生口島を結ぶ、全長790mの「生口橋」。

青い海と生口橋
橋の向こう側が生口島

橋までの道はそれなりの坂道なので、けっこう体力が必要ではあるものの、ところどころで絶景ポイントがあるので疲れも一気に吹き飛びます。

因島と青い海の景色
橋の上からのこの景色!
車道と自転車道が分かれた生口橋
橋の上は、車と自転車の道が分かれていて安全

この橋を渡ると、いよいよ「レモンアイランド」生口島です。

「レモンアイランド」生口島

レモンの木
島内の至る所で見られるレモンの木

生口島は人口9,000人弱の小さな島ですが、「レモン生産日本一」だけあって、島の至る所でレモンの木を見ることができます。

自転車で海沿いの道をのんびり走っていると、青空に映えるレモンイエローの果実と緑色の葉っぱが、あちこちで目を楽しませてくれます。

レモンの木
青空に映えるレモンの木

生口島は、2つの山によって北側と南側に分かれています。

北側はわりと平坦な地形で、島の中心街もあるエリア。
一方で南側は急な傾斜も多く、観光スポットはほとんどないローカルエリア。


「しまなみサイクリングコース(サイクリングのモデルコース)」は北側エリアに設定されていますが、私はゴールを中心街あたりにして島を一周したかったので、(少し)ハードな南回りコースにトライ。

とにかくレモンが目的なので、海沿いの傾斜地というのは避けられないでしょうし。

レモンの木と木陰に咲いた白い花
レモンの木陰

島の南側はとにかく静かで、青い海&青い空という平和な道が延々と続きます。

他のサイクリストと時々すれ違うくらいで、1人で走っていると時間の感覚を忘れそう。

途中、レモンやミカンの木に混じって他の花もいろいろ咲いていました。



さて、爽やかな潮風を感じながらいつでも道端で休憩できる…とはいえ、涼しい休憩所やカフェなんかはこのあたりには皆無。

そろそろ疲れた~、、、と思いはじめた頃、「シトラスパーク瀬戸田」の標識を発見!

シトラスパーク瀬戸田の標識
右へ曲がって2km

この時点ではあまり調べてなかったんですが、「シトラスパーク瀬戸田」は柑橘類のテーマパークということを聞いていたので、生口島に行ったらぜひ訪れたいと思っていたのでした。


ところが右に曲がってみると、また上り坂…

しかも、どうやら山の上にあるらしくかなりキツい坂を上らないといけないようで。

坂道
↗↗↗ 坂 ↗↗↗

一応少しだけ上ってはみたものの…さすがにこれは…

で、「頑張るべきか」「おとなしく諦めるべきか」ジャッジするため、ここでシトラスパーク瀬戸田についてググってみました。


するとどうやらこの施設は過去に1度閉園して、今は主にグランピング施設になっているみたいですね。

もちろんシトラスパークという名前のとおりレモンの木もたくさん(1,300本)あるみたいですが、現在の様子はあまり情報がない。

1,300本のレモンの木は見たいけど、レモンの木だけならこの先の「レモン谷」があるし…

というわけで、おとなしく諦めることにしました。


かつては世界中の柑橘類を集めた画期的なテーマパークで、かおり風景100選にも選ばれていたんですよね。

そんな香りに特化したすばらしい施設が日本にあったのに、それが維持できなくなり、閉園することになり、話題にならなくなり…という経緯は、残念で仕方ありません。

現在のシトラスパーク瀬戸田のホームページに、今後レモンの収穫体験などのイベントも開催していく予定と書いてあったので、ぜひ、ぜひ、期待しています。

🍋 シトラスパーク瀬戸田
https://www.citruspark-setoda.com/

海を背景にしたレモンの枝
坂の途中にあったレモン農園

ということでシトラスパークは諦めて(今回、南回りコースを選んだ理由の1つだったけど)、その先の「レモン谷」へ。

(少しだけ上った)坂を下りたら、また海沿いの道をずっと進みます。



しばらく行くと、レモン谷の標識が。

レモン谷の標識
ここからがレモン谷

レモン谷は、生口島と大三島(おおみしま)を結ぶ「多々羅大橋」の生口島側、斜面一帯に広がるレモン畑の総称です。

生口島の西に位置し、ここでちょうど島の半分を周ったことになります。

レモン谷の手書き看板
瀬戸田れもんの看板

傾斜地一面に植えられたレモンの木に、たっぷりと降り注ぐ太陽の光。

それに加えて、海からの潮風、温暖な瀬戸内海式気候というレモンにとって最高の環境が、鮮やかな風味の美味しいレモンを実らせています。

この条件は、香料としても名高い地中海沿岸のレモンと共通していますよね。

たくさんの実をつけたレモンの木
太陽の光をたっぷり浴びて育つレモン

5月にレモンの花が満開になったら、このへん一帯がそれはそれは芳しい香りに包まれるんでしょうね。

その時期にもぜひ訪れてみたいです。

多々羅大橋とレモンの木
多々羅大橋を背景にしたレモンの木

レモン谷で思う存分レモンの木を鑑賞したあとは、島の北側をぐるっと回って、ゴールの瀬戸田の町へと向かいます。



ここからは比較的平坦で快適なサイクリングロードが続きます。

途中、サンセットビーチに寄り道。

サンセットビーチの看板
ビーチで一休み

この「サンセットビーチ(別名しまなみレモンビーチ)」は、美しいサンセットで有名な白砂のビーチ。

「日本の水浴場88選」にも選ばれているそうです。

海とヤシの木と黄色のオブジェ
全長800mのビーチとレモンイエローのオブジェ

言い忘れていましたけど、生口島は「レモンの島」の他に「アートの島」でもあり、島全体を美術館に見立てた「島ごと美術館」というプロジェクトのもと、島のあちこちに野外彫刻が設置されています。

作品は全部で17個あり、アーティストが自ら場所を選んで、その場所から得たインスピレーションを形にしたものだそうです。

(サンセットビーチには、写真の黄色いオブジェの他にあと2つ作品がありました)

海と東屋と2本のヤシの木
おだやかな遠浅の海と静かなビーチ

平日の昼間は人影もまばらで、ゆったりとした時間が流れています。

レストランや売店もありますが、まずは日陰でちょっと休憩(昼寝)。

東屋から見た海
疲れもすっかり癒されます

ここで体力を回復させたら、あとはゴールに向けて残りの道を走ります。

といっても、ここから先はなだらかな海沿いの道。

ところどころにレモンやミカンの畑があり、旅館や建物がポツポツと出てきて町に近づいているのがわかります。



ほどなくして瀬戸田の町に着き、観光案内所で自転車を返却しました。

瀬戸田の町でレモン探し

瀬戸田町瀬戸田エリアは、生口島の中心地で、昔ながらの港町。

このあたりに観光案内所、商店街、美術館、カフェ、主な観光スポットなどが集まっています。

観光案内所で自転車を返したあとは、ブラブラと町歩き。

しおまち商店街の看板
町の中心から港へつづく、しおまち商店街

商店街は16時頃になると店が閉まりだしていたので、平日は早めの時間に行ったほうが良さそうです。

レモンだけではなく、いろいろな柑橘類が売られていました。

店先に並んだ柑橘類
ズラッと並んだ柑橘あれこれ
いろいろな柑橘を売る店
めずらしい柑橘も

商店街ではあちこちにレモンイエローが使われていて、歩いているだけでとても楽しかったです。

黄色いポスト
郵便局のポストもレモンイエロー
黄色と赤の3台のバイク
「怪獣レモン号」
マンホールに描かれたアート
マンホールにもアート

名物のレモンケーキは、商店街には向栄堂(瀬戸田レモンケーキの元祖)がありました。

瀬戸田にはレモンケーキの店が主に6店あり、他の5店は観光案内所や平山郁夫美術館があるあたりに固まっています(「レモンケーキの店」の位置がわかる地図を、案内所でもらえます)。


そのうちの1店「島ごころ」の店内では、瀬戸田レモンの精油、ルームスプレー、ハンドクリームなども売っていました。

🍋 島ごころ(瀬戸田レモンのスイーツ、ドリンク、ジャム、ゼリー、精油など)
https://www.patisserie-okumoto.com/

旅を終えて

柑橘のオブジェ3つ
瀬戸田の観光案内所にある柑橘オブジェ

「日本一のレモンアイランド」生口島は、レモンづくしの美しい島でした。

レモンそのものだけでなく、レモンを使った加工品やグルメなどもたくさんあって、私はレモンもレモンの香りも大好きなので、この島から離れたくなかった…


願わくば、加工品の副産物としての精油も、全国でもっと脚光を浴びてほしいです。

「国産レモンの水蒸気蒸留精油」は、アロマテラピーでは需要ありますよね。

簡単なことではないのは重々承知の上で、瀬戸田レモンの香りを楽しめる製品や施設も、今後さらに盛り上がったらいいなと願っています。


それでは、今度は初夏のレモンの花、秋のグリーンレモンの時期にも、またぜひ訪れたいと思います!

🍋 おのなび(尾道観光協会のホームページ)
https://www.ononavi.jp/
ダウンロードページ(生口島の地図など) → https://www.ononavi.jp/fan/download/

🍋 しまなみジャパン(レンタサイクル、観光情報)
https://shimanami-cycle.or.jp/