Lemon
レモン
学名 | Citrus limon (L.) Osbeck |
科名 | ミカン科 |
別名 | ─ |
原産地 | インドのヒマラヤ東部~北部 |
主産地 | イタリア、アメリカ |
使用部位 | 果皮、果実 |
主な成分 | 精油、クエン酸、ペクチン、ヘスペリジン、ビタミンC |
採油部位 | 果皮 |
採油法 | 低温圧搾 |
採油率 | 0.3~0.4% |
性状 | 淡黄色~緑黄色 |
主な成分 | d-リモネン、β-ピネン、γ-テルピネン、サビネン、ゲラニアール、ネラール、α-テルピネオール、酢酸ネリル、酢酸ゲラニル、ノナナール |
香り | 軽く爽やかな酸味のあるシトラスノート、アクティブで明るいイメージ |
揮発性 | トップノート |
香り強度 | 弱め |
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Fragrance 香料
香りの 性質 | クールで軽快な酸味を持つフレッシュシトラス |
主な 使用法 | さまざまな香調のフレッシュなトップノート。 香りを軽く明るくする。 |
使用量 | 比較的多量に使用することも多い。(圧搾精油は使用制限あり) |
注意 | 光毒性あり。使用限度量は、香水全体の2%まで。 / Lemon oil cold pressed 酸化、変質しやすい。 |
レモン精油は、果皮を低温圧搾(コールドプレス)して得ることができます。
d-リモネン、γ-テルピネン、シトラールなど、酸化しやすい成分をかなり多く含んでいるため、保管の際は柑橘精油の中でもとくに注意が必要です。
水蒸気蒸留のレモン精油には光毒性がありませんが、圧搾レモンに比べると香りの質は落ちます。
これは通常、フレグランスよりもフレーバーの分野で活用されます。
水に溶けにくく変質の原因にもなりやすいテルペン類を除去した「テルペンレスオイル」もあります。
これは、香水や化粧品などさまざまな分野で幅広く利用されています。
香りの成り立ち
ほかの柑橘精油と同じく、レモンにもテルペン類が多く含まれています。
リモネン、ピネン、テルピネン、ミルセン、サビネンなど、これらのテルペン類は軽くフレッシュな香り立ちがありますが、香りは弱めです。
- d-リモネン
フレッシュでみずみずしいシトラスの香り。レモン精油の60~80%ほどを占める成分です。- オレンジ、グレープフルーツ、マンダリン、ユズ、ライム、柑橘系以外ではセロリシード、エレミ、ファー、キャラウェイ、ブラックペッパーなどに含まれています。
- β-ピネン
針葉樹や干し草のようなニュアンスがある、ドライウッディ、グリーン、シトラス。- ガルバナム、パイン、ブラックカラントバッド、ライム、ナツメグなどに含まれています。
- γ-テルピネン
爽やかなハーバル、シトラス。- セイボリー、アジョワン、ティートリー、マンダリン、ライム、ユズなどに含まれています。
フローラル、フルーティノートを持つ成分は、レモンの香りに芳醇さとジューシーな果汁感を与えています。
- α-テルピネオール
ライラック様のフローラルノートで、パインやシトラスの雰囲気も持っています。
フローラル系香料のほか、パイナップル、ピーチ、アプリコットなどのフルーツフレーバーにも使用されます。- ユーカリ・ラディアタ、ライム、カユプテ、マージョラム・スイート、ネロリなどにも含まれています。
- 酢酸ネリル
ラズベリーやハニーノートが感じられる甘いフローラル。ローズ、オレンジフラワー様。
フローラル系香料のほか、ベリー類などのフルーツフレーバーにも使用されます。- ヘリクリサム、フェネグリーク、メリッサ、オレンジフラワーアブソリュート、プチグレンなどにも含まれています。
- 酢酸ゲラニル
甘いフルーティフローラル。ローズ、ラベンダー様。
フローラル系香料のほか、アップル、バナナ、ピーチなどのフルーツフレーバーにも使用されます。- パルマローザ、シトロネラ、ローズオットー、ゼラニウム、ネロリなどにも含まれています。
柑橘系の香りは少量含まれているアルデヒド類によって特徴づけられることが多いですが、レモンの場合、レモン特有の香りを作り出しているのは「シトラール(ゲラニアールとネラールをまとめてシトラールと呼ぶ)」です。
また、アルデヒドC8~12のうち、ほかの柑橘は「デカナール(アルデヒドC10/グリーン感のあるシトラス香)」が優勢なのに対し、レモン精油は「ノナナール(アルデヒドC9/フルーティフローラルなシトラス香)」の特徴が強く出ているのもポイントです。
- シトラール(ゲラニアール+ネラール)
強く鋭いレモンの香り。爽やかなユーカリ系のハーバルニュアンスもあります。
香料のトップノートや、レモン、フルーツ、ジンジャーなどのフレーバーにも使用されます。- レモンマートル、レモングラス、リトセア、メリッサ、ライムなどに含まれています。
- ノナナール(アルデヒドC9)
ローズ、オレンジ様の強い香り。
フローラル系のなかでもとくにローズ香料によく使用されます。
相性のよい香り
- 柑橘精油同士はすべて相性が良いですが、とくにオススメなのはオレンジとベルガモット。
- オレンジは、レモンの鋭さを丸めてジューシー感をアップさせます。
ハーバル、グリーン、オリエンタルタイプのトップノートに◎。 - ベルガモットは、はじけるような華やかさと香りの複雑さをもたらします。
フローラル、ウッディタイプのトップノートに◎。
- オレンジは、レモンの鋭さを丸めてジューシー感をアップさせます。
- ラベンダー、ゼラニウム、イランイランは、それぞれレモンと1:1でブレンドして、ほかの香りを引き立てるために使えます。
- レモン+ラベンダーは、シトラス、ハーブノートの爽やかさを強調します。
- レモン+ゼラニウムは、重たいウッディノートなどを持ち上げて、ほかの香りともなじみやすくします。
- レモン+イランイランは、フローラルノートの華やかさ、ゴージャス感をアップさせます。
- ローズ、ゼラニウム、パルマローザなど、ローズ系の香りととくに相性が良いです。
- ローズマリーorパインを多めにブレンドしてペパーミントも少し足すと、涼しくて清々しい香りになります。
- バジル、フェンネル、セージ、タイムなど、アロマティックな香草類はどれも相性が良いです。
- スパイス系でとくに相性が良いのは、ジンジャー、ブラックペッパー、コリアンダー。
ブレンドテクニック
- レモンは、もっともライトで明るくカジュアルな香りの1つです。
- 爽快感、気軽さ、明るさがテーマの香りには欠かせず、オーデコロンや夏向きの香水などにトップノートとして使用されています。
- 一方で、重厚なタイプのフレグランスにもよくブレンドされます。
レモンは重たい香りを持ち上げ、爽やかさや輝きを与えます。
使用されている香水
- Eau d’Hadrien/オーダドリアン(Goutal、1980)
シチリア産レモンがこの上なく爽やかな、グタールのベストセラー。
トスカーナの風景にインスピレーションを受けたシトラス+サイプレスの香りは、晴れた日の昼下がりによく似合います。 - Dior Homme Sport/ディオール オム スポーツ(Dior、2008)
イタリアンレモンとベルガモットのトップノートにエレミ、スパイスが加わり、ラストの温かいウッディノートへと繋がります。
若々しくエネルギッシュなメンズフレグランス。 - Acqua di Gioia/アクア ディ ジョイア(Giorgio Armani、2010)
地中海の「喜び」を表現した、非日常のバカンスにぴったりの香り。
カラブリア産レモンと砕いたミントの鮮やかなトップノートが弾けたあと、ジャスミンが中心になったアクアティックフローラルの香りが広がります。 - Aqua Vitae/アクア ヴィタエ(Maison Francis Kurkdjian、2013)
カラブリア産レモンにバニラ、トンカビーンズ、ガイアックウッドが加わることで、温かく官能的なシトラスウッディの香りになっています。
明るいレモンと滑らかでデリケートな香りの美しい組み合わせ。 - Soleil de Provence/ソレイユ ド プロヴァンス(L’Artisan Parfumeur、2022)
ソレイユ(太陽)が降り注ぐプロヴァンスの風景を表現した香水。
レモン、ミモザ、イランイランの輝くイエローカラーにベンゾインとバニラの温もりが重なる、パウダリーで明るい香り。
その他レモンを含む香水
「4711 Eau de Cologne/フォーセブンイレブン オーデコロン(4711、1792)」
「Light Blue/ライトブルー(Dolce&Gabbana、2001)」
「Versace Man Eau Fraiche/ヴェルサーチ マン オーフレッシュ(Versace、2006)」
「Petit Matin/プティ マタン(Maison Francis Kurkdjian、2016)」
「A Girl In Capri/ア ガール イン カプリ(Lanvin、2019)」
「Lemon Island/レモン アイランド(Atelier Cologne、2020)」
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香料としての歴史と活用法
レモンの爽やかな香りは、数々の薬酒、オーデコロン、化粧品の成分として長いあいだ使われてきました。
- マリー・アントワネットが愛用したエッセンス、ポマード、パウダーも、レモンで香りづけされていました。
- 「コロンヤ」というのは、トルコの伝統的なオーデコロン。
レストランや家庭で来客を歓迎したり手を洗ったりするときに振りかけます。
レモンの香りが定番。
- ポプリにも、レモンピール(果皮)はひんぱんにミックスされます。
- レモンバームやレモンバーベナなど、レモンの香りのハーブをブレンドすると良いです。
- ローズマリーやタイムなどをたっぷり混ぜるのもオススメ。
ほかにもカモミール、ミント、ユーカリ、ラベンダーなどをブレンドすると明るく爽やかなポプリになります。 - シナモン、ナツメグ、クローブ、バニラなどのスパイスも足します。
- レモン、ネロリ、パチュリ、フランキンセンスなどの精油もブレンド。
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Aromatherapy アロマテラピー
作用 | 高揚、刺激、鎮静、鎮痙、鎮痛、抗炎症、収れん、止血、消化器系機能調整、消臭 |
適用 | 集中力アップ、心身の疲労、時差ボケ、食欲がない、巡りを良くする、虫刺され、ネイルケア、空気清浄、菌対策 |
注意 | 圧搾オイルは光毒性 |
レモン精油は、柑橘類のなかでもよりはっきりとしたリフレッシュ特性があります。
その爽やかな香りはアロマテラピーでは欠かせませんが、圧搾精油には光毒性があります。
香りを楽しむだけなら圧搾精油でも良いですが、肌にも使用するなら水蒸気蒸留のレモン精油を使いましょう。
精神のために役立てる
- 曇り空に光が射すように、思考をクリアにしてくれます。
- 集中力・記憶力アップには、レモンとローズマリーを1:2でブレンド。
- ヒートアップして混乱した頭を冷やすには、ペパーミントとフランキンセンスをブレンド。
- 凝り固まってしまった心に軽さ、強さ、しなやかさを与えます。
- 考えすぎ、こだわりすぎには、グレープフルーツとベチバーをブレンド。
- 依存心、かまってくれない欲求不満には、クラリセージとジャスミンをブレンド。
- 疑い、不信感、恐怖心を落ち着かせるには、パルマローザとネロリをブレンド。
- アクティブ、ポジティブなエネルギーが欲しいときに。
- 朝、気分を盛り上げるためには、ペパーミント、ジンジャー、ローズをブレンド。
- コミュニケーション能力を高めるには、オレンジ・スイートとタイムをブレンド。
- 場の空気を一新したいときは、ユーカリとラベンダーをブレンド。
心配性、偏った思考から目を覚ます!
考えれば考えるほど心配になっていく、助けてあげたい、守ってあげたい、力になりたい、役に立ちたい、でも本当に1番助けが必要なのは自分だったりする。
そういう思い詰めた状況、1人で考えすぎてわけがわからなくなっている状況に、レモンはとても役に立ちます。
レモンの香りには、鋭く射し込む光のような、はっきりとした輝きがあります。
散らかって混乱した頭の中をスッキリとさせ、物事の全体像を見通す力、理論的・現実的に分析する力を強化してくれます。
身体のために役立てる
- レモンには滞ったものを動かしたり、巡りを良くする力があります。
- 体、手先、足先を温めたいときは、ローズマリーとジンジャー(orブラックペッパー)をブレンド。
- 肩こり、スポーツ後のマッサージには、ジンジャーとサンダルウッドをブレンド。
- スタイル維持のマッサージには、ジュニパーとベチバーをブレンド。
- 消化器系の機能をサポートします。
- 胃がスッキリせず食欲が出ないときは、オレンジとペパーミントをブレンド。
- ムカムカする感じをやわらげるには、ラベンダーとペパーミントをブレンド。
- PMSや更年期で心身が重いときに。
- PMSには、ゼラニウムとパチュリをブレンド。
- 更年期には、イランイランとクラリセージをブレンド。
美容のために役立てる
- 脂性肌と混合肌のスキンケアに使えます。
- クレンジングのフェイシャルスチームには、パインとローズマリーをブレンド。
- 炎症のある肌には、カモミールとラベンダーをブレンド。
- 活気がない感じの冴えない肌を輝かせるには、ネロリかメリッサをブレンド。
- 脂っぽい髪のケアに。
シャンプーに混ぜるか、ヘアスプレーを作って頭皮マッサージをします。- ゼラニウム、ジュニパー、シダーウッドをブレンドします。
- デオドラントにも使えます。
- コリアンダーとサイプレスをブレンド。
その他の使い方
- 部屋の空気をきれいにしたいとき、匂いを消したいときに最適です。
- ベルガモット、ユーカリ、ラベンダーをブレンドすると良いです。
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Herb therapy ハーブセラピー
乾燥させたレモン果皮は、胃のはたらきをサポートしたり体調を整えたりするため、またレモンの快い味をつけるために、ハーブティーなどに加えられることがあります。
レモン果実は、ビタミンC補給のほか、収れん作用、皮脂を抑えて肌バランスを整える作用などがあり、よくスキンケアに使用されます。
髪を明るく輝かせるためにシャンプーに加えられることもあります。
ハーブとしての歴史と伝承
レモンのビタミンC含有量は柑橘類のなかでもトップであり、古くから美容と健康のために広く活用されてきました。
16~17世紀、長い航海をする際のリスクの1つに壊血病がありました。
壊血病はビタミンC不足によって引き起こされることが後にわかるのですが、この病気の対策としてレモンが役立つということが発見されてからは、レモンの名声は一気に高まりました。
その後イギリス海軍は船にレモンを積み込み、乗組員は6週間ごとに1オンスのレモンジュースをとるよう義務づけられるようになります。
しかしそのような使い方をされる以前から、レモンは「万能薬」としてさまざまに利用されていたという記録がいくつもあります。
とくにその消毒作用が高く評価されていたようで、あらゆる毒、傷、病気に対してレモンが使用されていました。
たとえば、金とアンジェリカの根にレモン果汁を混ぜたものは疫病に対して使われたし、レモンの果肉に硫黄の粉をまぶして焼いたものはシラミ退治などに使われました。
18世紀には、活力を出すための「真珠水(Aqua perlata)」というのも登場します。
これは真珠の粉を溶かしたものにレモン果汁、砂糖、ローズウォーターなどを混ぜて作られました。
レモン果汁は美容方面でも、肌や髪を明るく輝かせるために長いあいだ使用されてきました。
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Cooking 料理
風味 | クールで爽やかな、甘酸っぱい柑橘風味 |
主な特徴 | 料理にスッキリとした酸味を与える |
作り置き | ビネガー、オイル、ハニー、シロップ、アルコール |
古代の料理では、酸味が必要なときには「ベルジュース」という未熟ブドウなどで作った汁が使われていましたが、レモンが登場してからは、その役割はすっかりレモンが取って代わりました。
現代ではレモンの果皮・果汁・果肉のすべてが、世界中の料理でなくてはならないものになっています。
使い方のコツ
レモンは、すべての部分を料理に使うことができます。
- レモンピール(果皮)は、擦り下ろしたりこまかく刻んで料理に加えます。
精油が含まれているため、ビネガーやオイルに香りを移すのにも適しています。 - 乾燥させたレモンピールは、料理やお菓子作りのスパイスとして使えます。
- レモンピールは、アルコールの香り付けにも利用されます。
- 「レモン・リキュール」は、アルコールと砂糖にレモンピールで風味付けしたリキュールのこと。
- レモン果汁は、調味料として料理・デザート・ドリンクに幅広く使用します。
スープ、サラダドレッシング、レモンケーキやタルト、レモネード、スムージーなど、さまざまなレシピに必須の材料です。 - レモンスライス(輪切り)は、料理のつけ合わせ、デザートやお菓子のトッピング、ドリンクの風味づけなどに多用されます。
- レモンスライスは、さまざまなかたちで保存できます。
- 砂糖漬けは、お菓子やデザートの材料にしたりそのままドリンクに入れたりできます。
- 塩漬けは、モロッコや地中海料理で調味料としてよく使われます。
- レモンピールと果汁、卵黄、砂糖を煮詰めたものは「レモンカード」と呼ばれ、パンやスコーンに塗ったり、お菓子作りの材料に使ったりします。
- レモンピールの白い部分と種は、ほかの柑橘類よりも多くペクチンを含むため、ジャムを作るときに加えると固まりやすくなります。
- レモン果汁は、フルーツや野菜の変色を防いだり、食材の匂い移りを防いだりするためにも使用されます。
世界の料理
- レモンメレンゲパイ/Lemon meringue pie
主にイギリスやアメリカでポピュラーなデザート。
レモンで風味をつけたカスタードクリームとメレンゲを、パイ生地の上に重ねて焼いたお菓子。 - タルト・オ・シトロン/Tarte au citron
フランスのマントンで作られるレモンタルト。
I.G.P.(地理的表示保護)を取得している香り高いマントン産レモンを使用します。 - スフォリアテッラ/Sfogliatella
イタリアのナポリで作られる焼き菓子。
貝殻のようなかたちをした修道院発祥のお菓子で、レモンピールやリキュールで香りをつけたクリームが中に入っています。
- リモンチェッロ/Limoncello
南イタリアで作られる甘いリキュール。
レモンピール(内側の白い部分は含まない)をアルコールに浸けて作ります。
よく冷やして食後酒にしたり、お菓子やデザート、カクテルの材料としてもよく使われます。
アイディア
food
- レモンピール(内側の白い部分は含まない)を千切りにして、パスタの風味づけに使う。
アンチョビ、オリーブ、パセリ、ブラックペッパーなどを合わせると◎。 - レモンピールと果汁を、クリームソースの風味づけに使う。
- レモンピールの千切りを、ハーブやシーフードを使ったサラダに混ぜる。
または、果汁をドレッシングに混ぜる。
dessert
- ベリー類のフルーツサラダにレモン果汁を少しかけて、甘さを引き立たせる。
- レモンピールで風味づけしたシロップを作り、ソルベやドリンクの材料にする。
- ケーキやパンの生地に、ドライフルーツ、ナッツなどといっしょに砂糖漬けのレモンピールを加える。
drink
- 飲みにくいハーブティーには、レモンスライスとハチミツを加える。
- ホットワインを作るときに、レモンスライス、スパイス(シナモンスティック、クローブなど)、ハチミツを入れる。
これを冷やして、炭酸水で割って飲んでもOK。
Gardening 園芸
種類 | 常緑小高木 |
背丈 | 高さ3~6m |
環境 | 日当たりがよく、暖かく、乾燥した場所 |
STORY
レモンは、シトロン(Citrus medica)とオレンジ・ビター(C. aurantium)の交配種です。
レモンははじめの頃シトロンと混同されることも多かったため、レモンの栽培がどこでどのように始まったのか確かなことはわかりません。
シトロンは古くから地中海沿岸で栽培されていましたが、レモンがヨーロッパに入ってきたのは9~11世紀頃だといわれています。
しかしレモンの木は北ヨーロッパでは育たず、南イタリアやスペインで盛んに栽培されました。
南イタリアのシチリア島は、栽培開始~現代までずっとレモンの一大産地です。
アメリカ大陸には、15~16世紀にコロンブスによって伝えられました。
姿かたち
- ラグビーボールのようなかたちの、酸っぱい果実。
- 果実ははじめは緑色ですが、熟すと明るい黄色に変化します。
- 果皮に精油が含まれています。
未熟のグリーンレモンのほうが、熟したイエローレモンよりも精油を多く含んでいます。
- 内側が白くて外側がピンク色の、小さくて香りのよい花を咲かせます。
ひとつが2cmくらいの大きさで、葉の付け根にかたまってつきます。 - 光沢のある緑色の葉をつけ、枝にはトゲがあります。
- レモンの花や葉を水蒸気蒸留して、精油を採取することがあります。
- レモンの花から採った精油は、「ネロリ・シトロニエール」といいます。
- レモンの葉と小枝から採った精油は、「プチグレン・レモン」といいます。
栽培と収穫
- レモンは生産性が高く、商業用作物としてすぐれています。
- 収穫量が多いのは冬ですが、1年を通して花が咲き、実がなります。
- 1本の木は1年で600~1000個の実をつけます。
これはオレンジ・スイートの約1.5倍。 - ほかの甘い柑橘類より保存性も高いです。
- レモン栽培には、15~30℃くらいの気温が適しています。
- 耐寒性はありますが、厳しい寒さには耐えられません。
寒い地域では鉢植えで育て、冬になったら家の中に入れる必要があります。 - 極端な暑さも苦手で、暑すぎると成長が止まり、花が落ちてしまいます。
- 元気に育って花を咲かせるには、たっぷり日光に当たる必要もあります。
- 結実するには、乾燥した気候が必要です。
- 以上の条件から、夏は乾燥して冬は暖かい地中海性気候の地域でよく育ちます。
潮風に強いため、沿岸部でもよく栽培されています。 - 栽培地で有名なのは、イタリア南部とシチリア島。
- 南フランスの地中海沿岸の町マントンでは、15世紀頃からレモンが栽培されています。
購入と保存
- 果皮にピンとしたハリとなめらかなツヤがあり、色鮮やかなものを選びます。
- 適度な弾力と重みがあるものは、果汁がたっぷり含まれています。
名前の由来・伝説
- 「lemon/レモン」という名前は、アラビア語の「limun/リムン」が変化したもの。
- フランス語では、レモンのことを「citron/シトロン」と呼びます。
そして原種のシトロン(Citrus medica)のことは「cédrat/セドラ」といいます。
近縁種・間違いやすい品種
「Limetta/リメッタ(Citrus limetta)」という柑橘は、「スイートレモン」という名で呼ばれることがあります。
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