「ネロリの香り」その魅力を突き詰める!シンプルなアロマブレンド&スペシャルな香水レシピ

本記事にはプロモーションが含まれています
オレンジの花

明るく爽やかなネロリの香り。

比較的カジュアルに使えるフローラルノートはなにかと重宝しますが、高価な精油なのでやみくもには使えない…

イメージどおりの香りを作るための効果的な使い方、うまくブレンドするコツなどあれば知りたいものです。


そこで今回は、ネロリの香りの特徴その魅力相性のよい精油ブレンドテクニックなどをじっくり探っていきたいと思います。

ブレンドレシピもできるだけいろいろなタイプ・バリエーションで考えてみました。

ネロリが主役の香りを作りたいときには、ぜひ参考にしてみてくださいね!

ネロリの香りの特徴

オレンジフラワーのイラスト

まずはネロリ精油の香りについて、詳しく見ていきましょう。

オレンジの木から採れる香料は4種類

オレンジ・ビター(Citrus aurantium)の木からは、4種類の香料を得ることができます。

  • オレンジ・ビターオイル
    果皮を低温圧搾。
  • プチグレンオイル
    葉・枝を水蒸気蒸留。
  • ネロリオイル
    花を水蒸気蒸留。
  • オレンジフラワーアブソリュート
    花を溶剤抽出。

「ネロリ」というのは、オレンジの花を水蒸気蒸留して得た精油のことです。

同じ花を溶剤抽出すると、ネロリよりもっと甘く濃厚な「オレンジフラワーアブソリュート」が得られます。
(これはネロリとは香りが異なるため、アブソリュートについてはまたの機会に…)

ネロリってどんな香り?

ネロリの香りはシトラス・ハーバルニュアンスのある爽やかなフローラルノート

甘すぎないフレッシュフローラルはネロリ特有のもので、明るくソフトな香りを作りたいとき、軽快な花の香りがほしいときに大活躍する精油です。


オレンジの花・枝を水蒸気蒸留した「プチグレン」精油は、ネロリと香りが近いです。

ただしネロリのほうがやわらかく繊細で、透き通ったようなやさしい甘さがあります。

ネロリの香りの性質

ネロリの香りはミドルノート

フローラル精油の中では比較的揮発しやすいほうで、フレッシュな拡散力があります。

香りの強さは中くらい。(イランイランやサンダルウッドと同じくらい)

それほど強い香りではないという点においてもブレンドしやすいフローラル精油といえます。

ネロリの構成成分

ネロリ精油の主成分は、リナロール酢酸リナリル

全体の30~50%を占めるリナロールは、軽やかなフレッシュフローラルの香り。

酢酸リナリルは、アロマティックで甘さと酸味を感じるフルーティフローラルな香りです。

どちらもプチグレンラベンダーベルガモットなどにも含まれている成分で、これらの精油とはブレンドの相性も抜群です。


そのほか、以下のような成分がネロリの香りを構成しています。

みずみずしいシトラス感をもたらすテルペン類
グリーン系の香りを持つ成分(ネロリドール、ファルネソールなど)
甘いフローラルな成分(酢酸ゲラニル、酢酸ネリルなど)


そして忘れてはならないのが微量成分。
濃厚なスイートフルーティ、アニマリックな印象をもたらす成分の存在です。

これらはオレンジフラワーアブソリュートの重要成分ですが、ネロリにもわずかに含まれています。

微量でも強い効果をもたらすため、ネロリの香りへの影響も少なくありません。

ネロリの魅力って?

ネロリ精油は単体でも良い香りですが、ローズやジャスミンのような主役級の香りかというとちょっと違います。

それでもネロリは今も昔ももっとも重要な香料の1つであり続けています。

なぜでしょう?


ほかの精油にはない「ネロリの魅力」としては、主に以下の3点が挙げられます。

  • シトラスブレンドの保留剤として最高
    柑橘類をふんだんに使った爽快な香りは、揮発力があるぶん消えていくのも早いです。
    そんなブレンドにネロリを加えると、シトラスのきらめきや軽快さを一切失うことなく持続力を上げてくれます。これはほかの花精油では叶わないことです。
  • ユニセックスなフローラル
    ネロリの香りはほかのフローラルとはひと味違います。
    甘いのは甘いですが、それはシトラス・ハーバルを含んだ爽やかな甘さです。
    これはネロリがユニセックスタイプやメンズフレグランスに頻繁に使用される理由の1つです。
  • どんな香調にもよく馴染む
    ネロリは「メインの香り」として使われることもありますが、全体の香調を支えるために使われることのほうが圧倒的に多いです。
    どんなタイプの香りにも溶け込み、やわらかさ、明るさ、上品さを与えてくれます

***


さて、このようなネロリの魅力、香りの特徴をふまえて、ここからは実際にブレンドするときのコツ、具体的なレシピを考えていきましょう!

ネロリ+プチグレンの合わせ技

マンダリンの葉

ネロリにもっとも香りが近いプチグレンは、ネロリの香りを補強するためによく一緒に使われます。

これはコストを抑えるためでもあり、香りの表情をより豊かにするためでもありますが、ネロリを使いこなすためには必須の合わせ技です。

ぜひマスターしておきましょう!


プチグレンをどれだけ加えるかによって、ネロリの香りの印象をコントロールできます。

ネロリ+プチグレン多め

ネロリにプチグレンを多めに加えると、ネロリの甘さが抑えられてドライなトーンの香りになります

「粗っぽさをやわらげるソフトなフローラル感はほしいけど、甘さは出したくない」
「なんだかネロリの甘さだけ浮いてる気がする」

…というときは、プチグレンをネロリよりも多めにブレンドしてみましょう。

ネロリ+プチグレン少なめ

ネロリにプチグレンを少しだけ加えると、ネロリが持っているグリーン感をくっきりと際立たせることができます

「ナチュラルなハーバルブレンドにネロリを自然になじませたい」
「軽やかなグリーンフローラル要素としてネロリを使いたい」

…というときは、プチグレンを隠し味としてブレンドしてみましょう。

ネロリ+プチグレン+オレンジ

ネロリ、プチグレン、オレンジ
1本の木から生み出されるこれらの精油は、それぞれ異なる香りを持っています。

と同時にもちろん共通する部分もあり、異なりながらもシームレスにつながっているような香調です。

そのためこの3つの香りは当然相性がよく、もっとも無難でもっとも効果的な組み合わせです。


オレンジの量を増減することによって、ネロリのフルーティー感を調整することができます

オレンジの種類はビターとスイートがありますが、手に入れやすい「オレンジ・スイート」でOK。

ネロリが主役のシンプルレシピ

オレンジの果実と花

それでは実際に、ネロリを使ったレシピを作ってみましょう。

まずはディフューザーやアロマスプレーなど、デイリーに使えるシンプルレシピから。

相性のよい精油

  • ネロリ+柑橘類
    どの柑橘でも効果があるので、持っているものでOKです。
    ネロリのシトラスノートを強調して華やかに拡散させます。
  • ネロリ+ラベンダー
    共通した成分を含んでいるため、間違いのない組み合わせ。
    ナチュラルでやさしい印象のフローラルノートを作りたいときに。
  • ネロリ+バジル
    バジルの鮮やかなアロマティックグリーンはネロリと相性抜群。
    繊細なネロリの香りに力強さや温かさを与えます。
  • ネロリ+ローズ
    お互いを引き立て合うことで、より爽やかで魅力的なフローラルノートが生まれます。
    ローズの雰囲気を少し変えたいときに、ネロリをアクセントとして使うのも◎。
  • ネロリ+サンダルウッド
    メンズフレグランスでよくある組み合わせ。
    とてもやわらかで上品な落ち着いた雰囲気を演出できます。

レシピ例

  • ネロリ×1、オレンジ・スイート×5、ラベンダー×2
    フルーティで甘いネロリを堪能するためのブレンド。
    明るく清潔感のある香りなので、時と場所を選びません。
  • ネロリ×2、レモン×2、バジル×1、ローズオットー×1
    みずみずしいグリーンフローラルの、太陽が似合うブレンド。
    香りが強いので広い空間向き。
  • ネロリ×1、プチグレン×2、オレンジ・スイート×2、マージョラム・スイート×1、サンダルウッド×2
    甘さ控えめのやさしいウッディフローラル。
    リラックスしたいときに。

ネロリが主役の香水レシピ(軽やかバージョン)

イエローゴールドの背景

次は、香水として使えるようなブレンドレシピにもチャレンジしてみましょう。

まずはネロリの軽やかさを活かした、フレッシュで軽いバージョンから考えてみます。

※肌につける場合は十分に希釈し、光毒性などにも注意しましょう。

ブレンドテクニック

ネロリはどんな香調にも使うことができますが、もっともネロリの良さが生きるのは何といってもオーデコロン調の爽快な香りでしょう。


シトラスブレンドにネロリを加えると、柑橘特有の高音のきらめきを保ちつつ香りの持続力を上げることができます。

そのうえ単調なシトラスノートに深みとやわらかさ、高級感も与えます。


ハーブやウッド系の香りを多用したユニセックスな香調も、ネロリをブレンドすると適度なエレガントさが生まれるのでおすすめです。

爽やかでリラックスした雰囲気だけどカジュアルすぎない、絶妙な香りが作れます。

ブレンドすると良い精油

  • ネロリ+ベルガモット
    どちらもオーデコロンには必須の香り。
    太陽のキラキラした感じを表現したいときには最強の組み合わせです。
  • ネロリ+ローズマリー
    ビターで陽気で爽やかな、さっぱりした香り。
    海辺の雰囲気やそよ風を感じさせるようなブレンドにピッタリです。
  • ネロリ+コリアンダー
    スパイスとしては軽やかでシトラス感もあるコリアンダーは、ネロリにピリッとしたアクセントがほしいときに最適です。
  • ネロリ+ベチバー
    シトラスフローラルな香調にベースノートを加えるなら、ベチバーがおすすめ。
    ほんの少しだけブレンドするのがポイント。

レシピ例

  • ネロリ×1、オレンジ・スイート×3、ベルガモット×2、ローズマリー×1、ラベンダー×1
    暑い日に使いたい、シトラスアロマティックなコロン調。
    これにウッディやフローラル要素を加えてもOKです。
  • ネロリ×3、レモン×2、ペパーミント×1、コリアンダー×1、ゼラニウム×2
    メンズフレグランスにもおすすめのドライスイートな香り。
    ネロリ+シトラスの香りに清涼感を出したいときは、ペパーミントかユーカリを少し加えるとよいです。
  • ネロリ×2、プチグレン×1、ベルガモット×3、ジャスミンサンバック×1、ベチバー×1
    ほどよく甘く、ほどよくカジュアルな明るいグリーンフローラル。
    ベチバーがネロリを引き立てながら、全体の香りをやわらかくまとめます。

ネロリが主役の香水レシピ(重厚バージョン)

イエローグリーンの背景

重厚な雰囲気の香りには、ネロリをどのようにブレンドすればよいでしょうか?

ネロリを魅力的に香らせるレシピを考えてみましょう。

ブレンドテクニック

濃厚な香りを重ねたブレンドは、香り自体は良くても長時間香るには重すぎ、くどすぎ…と感じることがあります。

そんなときに爽やかなグリーン感や明るいテンションを持つネロリをブレンドすると、香り全体の雰囲気を変えることができます。

これはベルガモットなどのシトラスノートと組み合わせて使うとより効果的です。


また、複数のフローラルを合わせたブーケ調ホワイトフローラルの1要素として使われることもよくあります。

ネロリのハーバルグリーンなナチュラル感は、ありがちな甘いフローラルノートにユニークさをもたらします。

ブレンドすると良い精油

  • ネロリ+イランイラン
    ネロリの香りに深み、ツヤ感を与えたいときに。
    どちらの精油も拡散力があるので、2つ合わせると香りの華やかさやアピール力がUPします。
  • ネロリ+ジャスミン
    メンズフレグランスにも使えるフローラルノート。
    ジャスミン・サンバックだとよりグリーン感のあるホワイトフローラル調に。
  • ネロリ+パチュリ
    暗く湿った感じのパチュリに、ネロリが透明感と明るさをもたらします。
  • ネロリ+バニラ
    オレンジの花はよくカスタードの香り付けにも使われますが、そんなデリケートなスイーツを思わせるやわらかなブレンド。

レシピ例

  • ネロリ×1、ベルガモット×3、ガルバナム×1、ジャスミン×1、バニラ×1
    ネロリとベルガモットで軽やかさを演出。
    鮮やかなグリーンノートが香り立ったあと、徐々にやわらかい甘さが出てきます。
  • ネロリ×2、オレンジ・スイート×4、イランイラン×2、バニラ×1、パチュリ×2
    フルーティで華やかなネロリブレンド。
    明暗のコントラストが効いた温かみのある香りです。
  • ネロリ×2、ベルガモット×1、ヘリクリサム×1、パチュリ×2、オークモス(20%)×1
    こういった深く濃厚な香りも、ネロリが明るさを1段階引き上げます。
    気品を感じさせるなめらかな香り。

まとめ

ネロリ精油の香りの特徴、ブレンドのコツについてここまで詳しく見てきました。

作ってみたいレシピはありましたか?

ネロリの香りを活かす魅力的なアイディアをひらめいたら、ぜひオリジナルレシピも作ってみてくださいね!