大分香りの博物館|香りへの好奇心を満たす場所、館内の様子を詳細リポート!

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ガラスケースに並んだ香水瓶

「大分香りの博物館」は、 “香りをテーマにした博物館” です。

世界中の香水や香料をはじめ、香りにまつわる貴重な品々を実際に見たり香りを嗅いだりできる、香りマニアにはたまらない施設です。


今回はそんな博物館の中はどうなっているのか、どんなものが展示されているのか、たくさんの写真を混じえてリポートしていきたいと思います!

大分香りの博物館は、香りをテーマにした博物館

大分香りの博物館の外観
この3階建ての建物の隅から隅まで、香りにまつわる資料が展示されています。

「大分香りの博物館」は、2007年に開館した “香りをテーマにした博物館” です。

館内には世界的に有名な香水や香水瓶、貴重な香料、古代の香油瓶、香りにまつわる品々などが大量に展示されており、香り好きはもちろん、めずらしいもの好きの方も大いに楽しめるのではないかと思います。


この博物館のおすすめポイントを3つ挙げると、

  • 香りについて学べる!
    館内には、香料や香りの歴史、サイエンスなどについて詳しく説明するパネルもたくさん展示されています。
    スマホがあれば無料で利用できる音声ガイドもあります。
    展示品は、テーマごと、時代・文化ごとにわかりやすく整理されているので、香りについてとりあえず一通り学びたい!という人にピッタリ。
  • 香水・アロマ好きなら「これ実物見てみたかった!」が必ずある!
    本で読んだりどこかで聞いたことのある歴史的な香りアイテム。基礎知識として知ってはいても実物は見たことなかった蒸留器。名香として有名だけど香りは嗅いだことない香水、などなど。
    「これがあれか!」という感動をきっと味わえます。
  • とにかくゆっくり見れる。
    マニアックなテーマの博物館だけに、そんなに混み合うことはないと思います。
    館内では、香りマニアな人がじっくり時間をかけて進んだり戻ったり嗅いだりうっとりしたりして過ごしているという印象。と共に、そのお連れの方が時間を持て余してソファで待ちくたびれてるのもよく見ます。
    (私も数年前うっかり両親を連れてきてしまって、そうなりました。笑)

展示品以外にも、「調香体験」や「匂い袋体験」など、体験プログラムもあります。

この2つは事前予約が必要とのことですが、時間があったらぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。



というわけで、神秘的な香りの世界にとことん浸れる博物館。

さっそく中に入ってみましょう!!

1階は、香料や香水について学べる「香りプロダクトギャラリー」

まずエントランスから中に入り、受付で入館料を払います。

そうすると、入館チケット代わりの「ムエット」がもらえます。

金の英文字が入った白いムエット
入館チケット兼ムエット

こういう遊び心は最高です!テンション上がります。

この丸いイラストは、「ダン・ラ・ニュイ」の香水瓶ですね。

大分香りの博物館のロゴになっていて、エントランスにも飾ってありました。



そしてこのムエットは、もちろんムエットの役割もします。

受付の横に5種類の香料ボトルが設置されていて、好きな香りを選んで自分のムエットにつけられるようになっています。

5つの瓶と香りのテスター
5種類の香り。手前にあるのはテスター。

香りは、「ハッピーウインド」「オオイタローズ」「フルーティ」「シトラスフローラル」「ウッディ」の5種類。

私は、「オオイタローズ」にしてみました。


それでは、中へ。

香りファクトリー

まず最初に訪れるのは、香り作りについて基本的なことを学べる「香りファクトリー」のゾーン。

入口から入るとすぐに、4種類の動物性香料が入ったガラス瓶があります。

2つのガラス容器に入った香料
アンバーグリス(左)、カストリウム(右)
2つのガラス容器に入った香料
ムスク(左)、シベット(右)

このガラス瓶は、フタを開けて香りを試せるようになっています。

動物性香料については嫌というほど話は聞いていたとしても、実際に香りを嗅げる機会は貴重です。

  • アンバーグリス…マッコウクジラの腸内結石。
  • カストリウム…ビーバーの生殖腺分泌物。
  • ムスク…ジャコウ鹿の生殖腺分泌物。
  • シベット…ジャコウ猫の生殖腺分泌物。

これらは何と言っても動物の排泄物なので、それ相応の匂いがします。

しかし濃度を薄めてひとたび調香師の手にかかれば、得も言われぬ芳香となります。

香りとは本当に奥が深いものですね。

続いて、植物性の天然香料のコーナーです。

香料植物について説明したパネルや標本で、実際の植物の形や香りを知ることができます。


精油でも、ハーブやスパイスでも、液体や粉になった状態でしか見たことのない香料植物ってとても多いですよね。

どんな姿かたちで生きているのか、香料として使うのはどの部分なのか、どうやって収穫されるのか、そういうことを知るのは香りの本質的な部分を知ることでもあるので、わりと大事だと思います。


天然香料の展示コーナーは、ここ以外にも館内のあちこちに設置されていました。

4つのガラス容器に入った香料
左から、オリスの根、オークモス(地衣類)、ナツメグの種子、ラブダナムの小枝
薄茶の器に入ったフランキンセンス
オマーン大使館から贈られたというフランキンセンス

植物性の天然香料を見たあとは、その植物からどうやって香料を抽出するかについて学ぶコーナー。

まずは、バン!と出現するこの装置。

蒸留装置
「アランビック」とも呼ばれる蒸留器

これは銅製の水蒸気蒸留(水蒸留)装置で、19世紀フランスで使われていたもの。

左側の大きな釜に水と原料を入れて加熱すると、精油を含んだ水蒸気が上部の管(アーチ型のところ)を通るので、そこで冷やして水と精油に分離させるという仕組み。


もっとも効率的で確実な方法ではありますが、熱を加えると香りが壊れてしまうような植物には使えません。

となると、熱を使わずに香りを抽出する技術も必要になってきます。

木枠の中に並んだ白い花
ジャスミンやチュベローズに使われる抽出法

これは、「アンフルラージュ」と呼ばれる装置のレプリカです。

日本語でいうと「冷浸法(れいしんほう)」。
その名の通り、熱を使わず、脂に原料を浸して香りを抽出する方法です。

こうやって脂肪の上に花を並べておくと、脂肪が香りを吸収します。

ただし、この方法はかなり手間も時間もかかるため、今ではごく限られた用途にしか使われていません。



そして、抽出された香料は瓶に詰められ、いよいよ調香師のもとに…!

机の周りに並んだ香料瓶
香料瓶に囲まれた調香台

机の周りにぐるりとセットされた香料瓶。

調香台は、パイプオルガンに似ている(似ていなくもない)ことから、もしくは調香を作曲に例えて「音楽をつくる場所」という意味を込めて「オルガン台」といわれます。


1つ1つの瓶には香料名が書かれたラベルが貼ってあり、よく使う合成香料は大瓶で手に取りやすい下段に、貴重な天然香料は小瓶で上段に、といった具合に、調香がしやすいようにちゃんと並べてあります。

机の上には、ムエットや秤も置かれています。



そして、圧巻の360度調香台!

円形にずらりと並んだ香料瓶
360度香料に囲まれる!(中には入れません)
並べられた緑の香料瓶
数えきれないほどの香料瓶

これだけの種類の香料を前に、ワクワクしない人っているの?(いないはず)

この2つの調香台は、いずれもフランスで使われていたものだそうです。

世界の香水ギャラリー

ガラスケースに並んだ香水瓶
有名な香水が集められたショーケース

1階は大きく分けて2つのゾーンに分かれており、1つはここまで紹介してきた「香りファクトリー」ゾーン。

そしてもう1つは、その香り作りの結果生まれた「世界の香水ギャラリー」です。


世界中から集められた、いわゆる「名香」と呼ばれる香水、名デザイナーのボトルや設計図、歴代の受賞香水など、香水好きなら時を忘れて見入ってしまうであろう数々の作品が展示されています。



まずはじめに足を踏み入れるのは、一度は名前を聞いたことがあるような名作香水を集めたコーナー。

中には、実際に香りを嗅いでみれるものも。

丸い小瓶
ショーケースの横に設置してあるテスター

このときは、ゲランの「インペリアル」「ミツコ」、シャネルの「No.5」、ディオールの「ディオリッシモ」などのテスターが用意されていました。



ここからは、ひたすら目の保養。

ガラスケースに並んだ香水瓶
シャネル「No.5」(右)、シャネル「クリスタル」(中央)
ガラスケースに並んだ香水瓶
ニナ・リッチのラリック香水瓶(手前)、イヴ・サンローラン「リヴ ゴーシュ」(左の青×黒ストライプ)

香水の世界観を目に見える形で表現している香水瓶。

日本では手に入らない貴重なもの、なかなかお目にかかれないめずらしいものも、ショーケースの中に美しく並べられています。

ガラスケースに並んだ香水瓶
ゲラン「ミツコ」(右の円型、左のハート栓)、ゲラン「シャリマー」(中央のブルー栓)
ガラスケースに並んだ香水瓶
ピエール・バルマン「ヴァン ヴェール」(左の緑リボン)、ラルフ・ローレン「ローレン」(右の赤ボトル)

そして次のコーナーは、「ピエール・ディナン工房」。

ピエール・ディナンは、20世紀を代表する香水ボトルデザイナーです。

彼がデザインした数々の香水瓶、その石膏模型や金型、設計図などがずらりと展示されています。


香水瓶が好きな方にとっては、興味深いお宝コーナーではないでしょうか。

ガラスケースに並んだ香水瓶
デザイン性の高い作品の数々

このショーケースにはピエール・ディナンがデザインした代表的な香水瓶がコレクションされています。

ロシャス「マダム ロシャス」(手前、1番右)が、1番最初の作品。

そのほか、パコ・ラバンヌ「カランドル」(手前、左から3番目)、ジバンシィ「アマリージュ」(2列目、右から3番目)など、一度見たら忘れられない個性的なボトルばかりです。


代表作の1つ、イヴ・サンローラン「オピウム」は、香水瓶と一緒に石膏模型も展示されています。

「オピウム」の香水瓶
朱塗りの印籠をかたどったボトルデザイン

その他、「オピウム」の設計図、カルバン・クライン「オブセッション」などの模型、金型、ピエール・ディナンについてのパネルなどもありました。



次に、「FIFI賞受賞香水」の展示コーナー。

「FIFI(フィフィ)賞」は、その年のもっとも優れた香水に与えられる賞です。

1973年にアメリカで創設され、「フレグランスのオスカー」ともいわれています。

ガラスケースの中の香水瓶7個
1997~1999年の受賞作品

このコーナーには歴代の受賞作品が集められていて、見応えがありました。

ちなみにこの賞は2013年に名称変更されており、この年以降の受賞作品は3階に展示されています。



さて、1階の香水ギャラリーはここまで。

写真でご紹介したものはコレクションのほんの一部なので、博物館を訪れたときにはぜひたくさんの香水に囲まれる体験をしてみてください!

(香りを試せる種類がもっと増えるといいなー、と思います)

ガラスのショーケースに並んだ香水瓶
壁一面にディスプレイされた香水

2階は、香りの歴史を探る「香りヒストリーギャラリー」

続いては、香りの歴史や人々との関わりを展示したフロアです。


世界中の香り文化や習慣を、時代や地域ごとに分類して紹介してあります。

「昔の香油ってこんな瓶に入れてたのか~」「こんな生活をしてこんな香りが流行ってたんだ~」などなど、とても興味深い展示品ばかり。

香りにまつわるおなじみのエピソードや、歴史的に有名な香りアイテムも続々登場します。

古代エジプトから中世ヨーロッパまでの香りの歴史

まず、いきなり、ミイラが置いてあります。(レプリカですけど)

このミイラは、大英博物館からはるばるやってきたものらしいです。


そしてミイラに使われた香料として、ミルラが紹介されています。

あわせて、「世界最古の香料」3種類の樹脂も展示されていました。

3つのガラス容器に入った香料
フタを開けて香りを試せます。

左から、没薬(ミルラ)、乳香(フランキンセンス)、安息香(ベンゾイン)。

この3種は今でも香水、アロマテラピーで欠かせない香料ですね。


紀元前の人々は、こういった香料をオリーブオイルなどに溶かして香油を作り、香りを楽しんでいました。

当時使われていた香油瓶なども展示されています。

香料を入れる小さな容器4つ
すべて紀元前2~4世紀ごろ使われていた香油瓶

右上と左下のものは、「コアグラス」という古代のガラス製法で作られています。

作るのにかなり手間がかかるらしく、王家や貴族しか手に入れられなかったそうです。

すべて地中海東岸で出土された香油瓶ということですが、状態もきれいですし、かなり貴重ですね。



続いて、中世に入って発明された蒸留器。

蒸留装置
アラビアの錬金術師が、蒸留法を発明。

植物から香料を取り出せるようになったことは、香りの世界にとって大革命でした。

最初に蒸留された香料はローズですが、当時はローズ油よりもローズ水を採ることが目的だったようです。



こうして香りの可能性が広がり、さまざまな香水や化粧品が作られるようになっていきます。

ショーケースの中に並んだフレグランスアイテム
サンタ・マリア・ノヴェッラの製品

イタリア・フィレンツェの「サンタ・マリア・ノヴェッラ」は、現存する薬局としては世界最古といわれており、13世紀から現在まで、薬草を使った高品質な製品を作り続けています。

このショーケースの中には、香水、コロン、ソープ、匂い袋など、歴史的な品々が展示されていました。

バラに囲まれた白い革手袋
16~17世紀に流行した香水手袋

バラに囲まれて飾ってあるこちらは、香り付きの革手袋。

手袋やベルトの革に良い香りをつける技術は、イタリアとスペインではじまり、16世紀フランスで発展しました。

精油の「ネロリ」という名前は、オレンジの花を手袋の香り付けに使った「ネロラ公妃」にちなんだもの、という話が有名ですよね。

香り商人の絵
陶板絵 “Habit de Parfumeur”

そしてこの絵は、17世紀の香り商人の様子を表した絵です。

頭に香炉、右手に香り付きの革、体中に香水瓶、化粧品、香水手袋、という出で立ち。

背景には、南仏グラースの町と香水手袋の工場が描かれています。

頭に香炉はともかく、今でもこういう香り商人がいたら話題にはなりそう。

アジアの香りの歴史

そして日本、中国、韓国など、アジアの香りの歴史を展示したフロアへ。

さまざまな形の香炉や日本の香道具など、貴重な展示品が続きます。

カラフルに彩色された小瓶6個
カラフルな嗅ぎタバコ入れ

この小さな容れ物は「鼻煙壺(びえんこ)」という、嗅ぎタバコを入れる容器です。

フタには小さなスプーンがついていて、中のタバコの粉をすくえるようになっています。


これは18世紀後半に清の貴族が使っていたもので、嗅ぎタバコがヨーロッパから伝わったとき、湿度の高い中国で粉を湿らせずに携帯できるように考案されたものだそうです。

鮮やかな桃、花、鳥、蝶などの絵が描かれていて、とても美しいです。

香道具
香道具は、豪華な「香箱」に収納されます。

こちらは、日本の香道具。

香道で用いる「十種香道具」のうちの一部です。

  • 本香盤/ほんこうばん(中央奥)…組香を行うときに使う小型の盤。
  • 香札/こうふだ(左奥)…漆塗りの木札。1人12枚ずつ。
  • 札箱/ふだばこ(左手前)…香札を入れる箱。
  • 札筒/ふだづつ(中央手前)…香札を集めるのに使う筒。
  • 火道具一式(右手前)…香を焚くときに使う道具。7点セット。

この他にも、大小さまざまな香炉、香枕、香時計などが展示されていました。



貴重な香木、インド産の「白檀(サンダルウッド)」の姿も。

白檀の丸太
世界中で不動の人気を誇る、インド産サンダルウッド

ロココ、アールヌーボー、アールデコ時代の香り文化

2階の最後のコーナーは、「ロココサロン」「アールサロン」という2つの部屋。

それぞれ、ロココ時代(18世紀)、アールヌーボー&アールデコ時代(19世紀末~20世紀はじめ頃)の部屋を、マネキン、家具などを使って再現してあり、どのような生活のなかでどのような香り習慣があったのかを表現しています。


ここではドレスやテーブルセットの展示は省略して、香水瓶などをさらっと紹介していきます。


では、まず「ロココサロン」。

少年二人がモチーフの香水瓶
2人の少年をかたどった磁器香水瓶。
左は、ネズミを捕まえる猫(どちらもイギリス)
青字にゴールド模様の香水瓶
ブルーのエナメルで彩色された香水瓶(フランス)
トルコ石で飾られた金色の香水瓶
金細工にトルコ石をはめ込んだ香水瓶。把手はヘビ。(フランス)

どれも10cm足らずの小さな小瓶ですが、細部まで精巧に作られています。

この時代はまだ今みたいな凝った香水瓶などなかったので、香水を買ったらこういう瓶に詰め替えて持ち歩いていたんでしょう。



そして、「アールサロン」。

八角形のガラスの香水瓶
ミュリー「ナルシス ブルー」のバカラ社製香水瓶
黒ガラスの香水瓶3つと透明ガラスの香水瓶2つ
キャロン「ニュイ ド ノエル」(左)、同「ナルシス ノワール」(中央)
黒くて丸い香水瓶大小1つずつ
キャロン「フルール ド ロカイユ」(透明ボトル)、ランバン「アルページュ」(黒ボトル2点)

この時代には、香水だけでなく香水瓶も数多くの芸術作品が生まれました。

この部屋は、香水瓶好きの方にはたまらないのでは?

ショーケースに並んだ香水瓶
ラリックの作品を集めた棚

この棚には、「カクタス」(上段、左から2番目)や「ジュ ルビアン」(下段、右)など、ルネ・ラリックの作品がコレクションしてあります。


「ジュ ルビアン」は、ウォルトの5連作香水の4番目で、1番目は、博物館のエントランスに飾ってあった「ダン ラ ニュイ」。

「ダン ラ ニュイ」はブルー、「ジュ ルビアン」は白のすりガラスで、同じデザインの色違いです。
(発売当時は違うデザイン、1932年に同デザインに変更)

金色の装飾プレート
ラリック製の看板プレート

この他にも、この時代の貴重な香水瓶やお宝がたくさん展示されていました。


この2つの部屋には香りを試せる仕掛けなどの類はありませんが、芸術的に優れた香水瓶やガラス製品も数多く展示されているので、香水瓶好きの方には特におすすめです。

3階は、体験プログラムやイベント用の多目的スペース

3階は、「調香体験」「匂い袋体験」などの体験プログラム、企画展、イベントなどが行われる多目的スペースになっています。


このときは、2013年以降の「The Fragrance Foundation Awards(前FIFI賞)」受賞作品や、ゲランの歴代香水などがディスプレイされていました。

ガラスの香水瓶4つ
ゲラン「オーデコロン インペリアル」(ピエール・フランソワ・パスカル・ゲラン作)
赤い箱と香水瓶
ゲラン「ルール ブルー」(ジャック・ゲラン作)
香水瓶2つと箱
ゲラン「ミツコ」(ジャック・ゲラン作)
香水瓶3つ
ゲラン「シャリマー」(ジャック・ゲラン作)

博物館オリジナル香水の香りがプシュッと出てくる面白い機械も。

タブレットと機械
タブレットをタッチすると、左の白い機械から香りが出てくる。

このフロアの出入り口には、ニナ・リッチ「レール・デュ・タン」の大きな香水瓶が飾ってありました。

大きな香水瓶
ニナ・リッチ「レール・デュ・タン」

ちなみに2階には、発売当初と現在、2つの「レール・デュ・タン」が展示されています。

この香水のシンボルである「二羽の鳩」ですが、発売当初のバージョンは鳩は一羽だったそうです。

二羽の鳩のほうが、象徴的で、華やかで、断然いいですね。


フタとボトルはデザイナーが別で、鳩のフタをデザインしたのは、ルネ・ラリックの息子マルク・ラリックです。



さて、これで博物館の展示はすべて終わりです。

ミュージアムショップ、カフェ、ハーブガーデン

博物館の1階には、香り関連の雑貨やお香などを売っているミュージアムショップ、軽食やハーブティーなどを楽しめるカフェも併設されています。

カフェ「カフェ・サ・サンボン」の外はハーブガーデンになっていて、テラスに出てハーブを眺めながらお茶することもできます。

ハーブガーデン

ハーブガーデンでは、旬のハーブや香り植物を見ることができます。

博物館で目にした植物、興味を持った植物の実際の姿を見ることができたら、その植物への理解もぐっと深まりそうです。


この日は4月中旬でしたが、ローズマリーやカモミール、ボリジなどがきれいに咲いていました。

花が咲いたローズマリー
ローズマリー

ローズマリーってどこにでもありますけど、その姿も香りも大好きです。

太陽が似合う美しい色、強い生命力、そしてあの目の覚めるような香り!

道端でもどこでも、ローズマリーの姿を見つけるとパッと明るい気持ちになります。(そして葉をこする)

カモミールの花
カモミール

カモミールも丈夫さでは負けていませんが、こちらはリラックスの香りですね。

カモミールのハーブティーは、その香りを嗅いだだけでフワッと温かい気持ちになります。

大昔から人の役に立ってきた、とても身近なハーブです。

ボリジの白い花
ボリジ(白花)
ボリジの青い花
ボリジ(青花)

美しい星型の花を咲かせるボリジは、エディブルフラワー(食べられる花)としても人気です。

ボリジを製氷皿に入れて凍らせる「ボリジのアイスキューブ」は、見た目も涼しげで簡単で、これからの季節にもピッタリですね。



ハーブガーデンには、博物館の中に入らなくても外からそのまま行くこともできます。
(場所は、建物の左側)

季節によってさまざまな香料植物が見れると思うので、博物館を訪れたときにはぜひハーブガーデンにも立ち寄ってみてください。

まとめ

さて、ここまで「大分香りの博物館」がどんな博物館なのかをリポートしてきましたが、心惹かれるコーナーや展示品はありましたか?


「香りがテーマ」というなかなかない博物館なので、香りが大好き!香りについてもっと知りたい!という方は、ぜひ香りの世界に浸りに行ってみてくださいね。
(大分の別府なので、近くには温泉もたくさんありますよ)

大分香りの博物館

公式HP:https://oita-kaori.jp/
住所:大分県別府市北石垣48-1
営業時間:10:00~18:00
休館日:毎月第3木曜日、年末年始
入館料:一般700円、大学生・高校生500円、中学生・小学生300円

アクセス
車:別府ICから7分。
電車:JR日豊本線別府大学駅下車、徒歩10分。(駅を出たら、右の坂をひたすら上る)
バス:大石・大分香りの博物館前で下車、徒歩1分。

※最新情報は、公式HPをご確認ください。

別府大学駅
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