ハーブを育てる・保存する
About gardening
ハーブを自分で育てると、料理に使ったりハーブティーをつくったり、いつでも好きなときに香りを楽しむことができます。
このページでは、庭やベランダで手軽に育てられるハーブの、栽培・収穫・保存方法について説明します。
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ハーブの栽培
ハーブによってそれぞれ栽培条件は異なりますが、基本的には日あたりのよい場所で育て、土が乾いたらたっぷり水をやります。
あまりこまめに水をやりすぎると根腐れを起こし、弱ってしまいます。
密生しすぎた葉や茎は切り、風通しをよくしましょう。
ハーブの収穫
ハーブの生長サイクルのどの段階で収穫するべきかは、使用する部位や目的によって変わってきます。
日常使いするハーブなら好きなタイミングで収穫すればよいですが、保存用ハーブやスパイス、ポプリなどのために収穫するなら、1番生命力が強く香り高いタイミングを狙いましょう!
収穫するときは、むりやり手で引きちぎると植物が傷むため、よく切れるハサミを使ってカットします。
- 葉や茎
花が咲く直前に収穫します。
このタイミングがもっとも成分豊かであることが多いです。
花が咲くと、葉のみずみずしさは失われます。- 茎の先端や側面から新芽が出てくるハーブの場合
茎をカットして収穫します。
カットする長さはどれだけでもよいですが、カットする場所は新芽の少し上の部分にします。
こうすると新芽は枝分かれして横に伸びていき、収穫後も豊かに育ちます。 - 根もとの中心から新芽が次々に出てくるハーブの場合
新芽は残して、外側の大きな葉を収穫します。 - 茎が木質化するハーブの場合
木質化する前のやわらかい枝を収穫します。
- 茎の先端や側面から新芽が出てくるハーブの場合
- 花
朝露が乾いたらすぐに収穫します。
早朝にもっとも香りが強くなる花が多いです。 - 根
秋に掘り上げます。
まだ葉が元気に茂っているときは成分が地上部にもあるため、枯れるまで待ちます。
乾燥用の植物
乾燥用の植物を収穫するなら、湿気の少ない乾燥した日がベストです。
収穫したあともなるべく洗わないほうがよいでしょう。
なぜなら植物が湿っているとカビの原因にもなりやすいし、乾くまでにより多くの時間がかかり、その時間が長くなればなるほど色も香りもどんどん失われていくからです。
花の場合、開ききった花をうまく乾かすのはむずかしいので、つぼみか咲きかけのものを収穫します。
*個々の植物の栽培条件・収穫についての情報は、「香り植物・ハーブ図鑑」を参照してください。
香り植物・ハーブ図鑑
ハーブの保存
ハーブを収穫(または購入)したら、すぐに使いきれる場合は冷蔵保存をします。
すぐに使わない場合は、冷凍するか乾燥させて保存します。
ハーブは刻んでこまかくすればするほど成分が揮発しやすくなるので、香りや風味を維持するためにはできるだけそのままのかたちで保存します。
冷蔵保存
収穫したり買ってきたりした生のハーブ(フレッシュハーブ)は、使うまで冷蔵保存します。
やわらかい葉は、湿ったキッチンペーパーで包んでジップロックなどに入れるとよいです。
水を少し張ったグラスに挿しておいてもOK。
・フレッシュハーブは、適度に湿気のある冷暗所に保存します。(冷蔵庫の野菜室が理想的)
・冷蔵保存できる期間は、1週間ほど。
冷凍保存
フレッシュハーブをすぐに使いきれないときは、冷凍保存することもできます。
使うとき便利なように、1回分を小分けにして凍らせます。
料理用なら、バターやオイルにまぜて1回分ずつ凍らせるのもオススメです。
・冷凍保存できる期間は、6週間ほど。
乾燥保存
すぐに使いきれない場合、常備しておきたい場合、またはポプリやドライフラワーにしたい場合は、植物から水分を抜いて乾燥させます。
乾燥させたハーブ(ドライハーブ)を保存するときは、必要のない枝や軸は外してから密閉容器に入れます。
乾燥剤もいっしょに入れると理想的!
・ドライハーブは、湿気のない冷暗所に保存します。
・乾燥保存できる期間は、1年ほど。(粉末にするともっと短くなります)
植物の乾燥方法
乾燥方法は、植物の形状や性質によって適したものを選びます。
自然乾燥の場合、完全に乾くまでにかかる時間は、葉や花びらなら1週間、枝や種子なら2週間程度が目安。
乾くのが速ければ速いほど、植物の色はあせずに残ります。
色を保つためには強い光に当てないことも大事なので、基本は陰干しです。
ただし湿気の多い環境で乾燥させるにはもっと時間がかかり、そうなるとカビが生えたり、色や香りの大部分を失ったりします。
湿気の多い季節には、陰干しではなく天日干しにして乾燥時間を短くしたほうがよいです。
- 自然乾燥/つるす
風通しのよい日陰で、植物の茎を束ね、逆さまにつるします。- 花茎、ハーブの小枝、大きな葉、熟したさやなどに適しています。
- 花茎は、風通しをよくするために葉をできるだけ取り去ります。
花同士が触れ合っていると蒸れたり変形したりするので、重ならないように茎の長さを変えて束ねます。 - こぼれ種をあつめるには、さやに紙袋をかぶせて口を結び、逆さまにつるしておきます。
こうしておくと、熟した種が袋の中に自然に落ちてきます。
- 自然乾燥/置く
風通しのよい日陰で、植物同士が重ならないように並べて置きます。
網の上に置くと乾きやすいです。
最初の数日は、ひんぱんにひっくり返しましょう。- もろく崩れやすいもの、そのままのかたちを保ちたいもの、厚みのあるものなどに適しています。
たとえば花頭、花びら、葉、小さな実や種子、果皮、苔など。
- もろく崩れやすいもの、そのままのかたちを保ちたいもの、厚みのあるものなどに適しています。
- オーブン乾燥
低温のオーブンで乾燥させます。
ムラをなくすために、ひんぱんにひっくり返します。- 硬いものや、水分を多く含んでいて乾かすのがむずかしいものに適しています。
たとえば根、樹皮、果実など。 - 根は洗って水けを切り、大きなものはカットして乾燥させます。
- 樹皮はブラシをかけ、汚れを落としてから乾燥させます。
- 硬いものや、水分を多く含んでいて乾かすのがむずかしいものに適しています。
ハーブに一手間加えて、チンキやオイル、クリームなどのかたちで常備しておくのもオススメです。
作り置きレシピについては、別ページにまとめています。
ポプリの作り方は、香料のページに載せています。
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植物の種類
植物には、1年で寿命が終わるものもあれば何年にもわたって生き続けるものもあります。
- 一年草(一年生植物)
1年以内に命を終える植物。
芽が出てから1年以内に花が咲き、実をつけて、枯れていきます。- 越年草
一年草のうち、発芽するのが秋で、冬を越し、翌年の春夏に花を咲かせて枯れていく植物。
- 越年草
- 二年草(二年生植物)
1年以上2年以内に命を終える植物。
1年目に生長し、2年目に開花し、実をつけ、枯れていきます。 - 多年草(多年生植物)
2年以上生きる植物。
ふつうは毎年花を咲かせます。- 常緑草
多年草のうち、1年中緑の葉をつける植物。 - 宿根草
多年草のうち、冬に地上部は枯れるけど再び根茎から育つ植物。
- 常緑草
- 常緑樹
1年中緑の葉をつける樹木。
葉が落ちるとすぐにあたらしい葉が生えてきます。 - 落葉樹
秋などに葉が落ちる樹木。
葉を落として休眠に入り、つぎの年に備えます。
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