Orange sweet

オレンジ・スイート

植物DATA
学名・Citrus sinensis (L.) Osbeck
・Citrus aurantium var. dulcis Hayne
科名ミカン科
別名ポルトガルオレンジ、アマダイダイ
原産地インド、ヒマラヤ
主産地アメリカ、ブラジル、メキシコ
使用部位果皮、果実
主な成分精油、フラボノイド、ビタミン類、カロチノイド類、ペクチン
精油DATA
採油部位果皮
採油法低温圧搾
採油率0.6%
性状橙~深橙色
主な成分d-リモネン、β-ミルセン、リナロール、α-ピネン、デカナール、オクタナール、ゲラ二アール、ネラール、シネンサール
香りフレッシュで甘いフルーティシトラス、明るく爽やかな香り
揮発性トップノート
香り強度弱め

オレンジ・スイートの明るく陽気なシトラスノートは、「元気が出る香り」の筆頭です。

人をくつろがせて幸せな気分にさせるため、香水でもアロマテラピーでも、使われる機会がもっとも多い香りの1つです。

また、お菓子やデザート、ドリンクに爽やかな風味をつけるためにも、世界中で幅広く使用されています。

オレンジ・スイートは「良い香り」と「美味しさ」を併せ持った貴重なフルーツです。

香料 | アロマテラピー | ハーブ | 料理 | 園芸

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Fragrance 香料

香りの
性質
拡散力のあるアルデハイディックなフルーティシトラス
主な
使用法
さまざまな香調のフレッシュなトップノート
使用量比較的多量に使用することも多い
注意酸化、変質しやすい

「オレンジ・スイート」は柑橘精油の中でもっとも生産量が多く、香料としても広範に使用されています。


オレンジ・スイート精油を得る方法は、主に3種類あります。

  • 果皮の低温圧搾(コールドプレス)
  • 果皮の水蒸気蒸留
  • オレンジジュースの副産物として、ジュースを除いた部分の水蒸気蒸留

香りの品質が高く、香料として一般的なのは①の「果皮の低温圧搾」です。



また、テルペン類を除去した「テルペンレス精油」も製造されています。

テルペン類(モノテルペン炭化水素)

柑橘精油は、テルペン類に属する成分を多量に含んでいます。
(例/ d-リモネン、β-ミルセン、α-ピネン、β-ピネン、γ-テルピネン、サビネン、p-シメンなど)

─テルペン類の特徴─

  • 揮発性が高い
    フレッシュで軽やかな印象を与え、ほかの成分の香りを持ち上げる効果もあります。持続力はありません。
  • 香りは弱いことが多い
    多量に含まれていても全体の香りを支配することはなく、ほかの強い香りをまとめる溶剤のようなはたらきをしているともいえます。
  • 酸化しやすい
    日光や空気に対して敏感なため、香りが変質する原因になります。
  • 水に溶けにくい
    アルコールや油には溶けますが、水には溶けません。

以上のように、香りとしての重要度は比較的低く、変質への影響度は高いという理由から、また香料としてより扱いやすくより力強くするために、テルペン類を除去した「テルペンレス」の柑橘精油も、香水や化粧品に広く使用されています。

香りの成り立ち

オレンジ精油に含まれる成分のうち、90~95%はd-リモネンです。

そのほかβ-ミルセン、α-ピネン、サビネンなどのテルペン類も含まれていますが、これらはオレンジの香りにそれほど大きな影響を与えてはいません。

  • d-リモネン
    フレッシュでみずみずしいシトラスの香り。
    柑橘やフルーツ系の香料にジューシーで爽やかな印象を与えるためにも使用されます。
    • グレープフルーツレモンマンダリンユズライム、柑橘系以外ではセロリシードエレミファーキャラウェイブラックペッパーなどに含まれています。
  • β-ミルセン
    セロリのようにピリッとスパイシーで軽い、バルサミックな香り。
    • セロリリーフパセリリーフホップローズマリーフランキンセンスなどに含まれています。

フレッシュ感の強い、シトラス、フローラルな成分も含まれています。

  • リナロール
    軽やかなフレッシュフローラル。シトラス、スパイシーなニュアンスもあります。
    • コリアンダーマグノリアネロリラベンダーベルガモットなどにも含まれています。
  • ゲラニアールネラール
    どちらもレモン様のシトラスノートで、柑橘果皮のフレッシュな印象をイメージさせる香り。
    • どちらもレモンマートルレモングラスリトセアメリッサレモンライムなどに含まれている成分です。

オレンジの香りをもっとも強く特徴づけているのは、以下のアルデヒド類です。

これらはそれぞれ0.5%にも満たないわずかな量しか含まれていませんが、90~95%を占めるリモネンよりも香りの影響度は大きいです。

  • シネンサール
    オレンジ様の甘くジューシーな香り。みずみずしく溢れる果汁をイメージさせます。
    オレンジ精油の香りに1番強く影響を与えている成分です。
  • オクタナール(アルデヒドC8
    別名「オレンジアルデヒド」
  • デカナール(アルデヒドC10
    オクタナールもデカナールも、ファッティなオレンジ様の香りでパクチーのようなニュアンスがあります。
    希釈すると柑橘果皮のフレッシュグリーンな香りになり、フローラル系香料やシトラスコロンなどにも使用されます。
オレンジスライス

相性のよい香り

  • ほかの柑橘精油と組み合わせて、明るいトップノートを作れます。
    • フローラル調ブレンドのトップノートには、ベルガモットを合わせるのがおすすめです。
    • グリーン、ハーブ調ブレンドには、レモンが◎。
  • ネロリとは1:1でも、どのような割合でもうまくブレンドできます。
  • もちろんプチグレンも同じように相性が良いですが、この組み合わせにフローラル要素のネロリラベンダーを少し加えると、さらにバランスが良くなります。
  • ラベンダーゼラニウムとは何をやっても相性抜群です。
    ハーバル、フローラル、ウッディ、オリエンタルなど、どんな香調にもアレンジできます。
  • しっとりした重たい香りに明るさを加えるのにぴったり。
    • サンダルウッドとブレンドすると、ゆったりとした官能的な雰囲気を作ります。
    • 同量のパチュリとブレンドして、フローラルな香りに合わせるとよいです。
  • オレンジとスパイスは、お互いの香りを引き立て合います。
    とくにシナモンクローブナツメグは、お菓子やワインの香り付けでもよく使われる鉄板の組み合わせ。

ブレンドテクニック

  • オレンジは、トップノートを作る上でもっともよく使われる香りの1つです。
  • ベルガモットやレモンと同様に、オーデコロン、シトラスタイプ、爽快感を狙った香水などのトップノートにひんぱんに使用されます。
  • フローラルノートのみずみずしさや芳醇さを増長させ、華やかに拡散させる効果があります。
  • オリエンタルタイプやアンバーノート、重たいウッディ、バルサムなどの香りにフレッシュなアクセントを加え、全体の香りを持ち上げます。
  • スパイスやバニラとあわせて、美味しそうなグルマンノートを作ります。

使用されている香水

  • L’Origan/ロリガン(Coty、1905)
    オレンジ&スパイスのアクセントが効いた、温かく豊かなフローラルフレグランス。
    貴重な天然香料と当時まだ新しかった合成香料を組み合わせ、スイート、パウダリー、ウッディな香調を作っています。
  • Orange Spice/オレンジ スパイス(Creed、1950)
    オレンジ、ベルガモット、ネロリを組み合わせた、シトラスベースのメンズフレグランス。
    スパイスとアンバーグリスのミステリアスな深みがポイントになっています。
  • Clinique Happy/クリニーク ハッピー(Clinique、1998)
    喜びや幸福感をもたらす、生き生きとした明るい香り。
    トップノートはオレンジを中心としたシトラスの組み合わせで、そこにフリージア、リリーオブザバレー、ミモザなどのフローラルノートがふんだんにブレンドされています。
  • Allure Homme Sport/アリュール オム スポーツ(Chanel、2004)
    オレンジのシトラスノートとアルデヒドが華やかに拡散するメンズフレグランス。
    マリンノート、バニラ、ウッディスパイシーなどが爽やかに混ざり合っています。
  • Elixir des Merveilles/エリクシール ド メルヴェイユ(Hermès、2006)
    オレンジの香りとキャラメル、バルサム・ペルー、アンバーノートなどが複雑なハーモニーを作る、官能的なフレグランス。

その他オレンジ・スイートを含む香水

「Blu Mediterraneo Arancia de Capri/ブルー メディテラネオ アランチャ ディ カプリ(Acqua di Parma、1999)」
「Coco Mademoiselle/ココ マドモアゼル(Chanel、2001)」
「Love in White/ラブ イン ホワイト(Creed、2005)」
「Terre d’Hermès/テール ドゥ エルメス(Hermès、2006)」
「Afternoon Swim/アフタヌーン スイム(Louis Vuitton、2019)」

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Aromatherapy アロマテラピー

作用鎮静、高揚、緩和、鎮痙、抗炎症、消化器系機能調整、駆風、防虫
適用不安、緊張、心身の疲労、意欲低下、食欲がない、消化器系の問題、バランスを整える、巡りを良くする、空気清浄、菌対策
注意

オレンジ・スイートは、光毒性のない柑橘精油ということで、アロマテラピーでもかなり幅広く活用されています。

ただし、肌に使用すると刺激を感じることもあるので、その場合は芳香浴など香りを楽しむ方法で使用しましょう。

精神のために役立てる

  • ストレスや緊張をほぐし、楽観的な気分にさせてくれます
    • 不満が溜まって余裕のないときは、ローズオットーベンゾインをブレンド。
    • 否定しか出てこないときに肯定的な面を見れるようにするには、ベルガモットネロリをブレンド。
    • 眠れないときは、オレンジラベンダーを1:2でブレンド。
  • 活き活きとした生命力、元気、やる気をもたらします。
    • 心を明るく温かくするために、ゼラニウムクラリセージをブレンド。
      ほかの柑橘精油も好きなだけ足しましょう。
    • 元気・食欲を出すには、グレープフルーツシナモンをブレンド。
    • 自由な感覚と決断力をもたらすためには、ベルガモットネロリクラリセージをブレンド。
  • オレンジ・スイートの香りを嗅ぐことで計算ミスが減少したという実験結果もあります。
    • ローズマリーを足すと、さらに頭がスッキリ。

こまかいことに囚われすぎてしまうときに

オレンジ・スイートの香りは、神経を温かくほぐして気楽さをもたらしてくれます。

せっかく立てた計画が何かのせいでだめになりそう、他人のミスやいい加減さにイライラする、邪魔されたり水を差されることが許せない、まったくうまくいく気がしない、などなど。

思いどおりにことが運ばず悲観的になっているときに、「まぁしかたないか」と思わせてくれます。

身体のために役立てる

  • オレンジ・スイートは、消化器系の不調にもっとも役立つ精油の1つです。
    • 食欲がなかったり胃がスッキリしないときは、ペパーミントレモングラスをブレンドして芳香浴をしましょう。
    • 消化を促すには、ジンジャーブラックペッパーをブレンド。
    • 胃腸の調子を整えるには、ゼラニウムカモミール・ローマンをブレンド。
  • 体がなんとなく重いときに、巡りを良くしてエネルギーを与えてくれます。
    • 脚のケアには、ジュニパーサイプレスをブレンド。
      足浴かアロママッサージをします。
    • 更年期の場合は、ゼラニウムローズオットーをブレンド。

美容のために役立てる

  • さまざまなタイプの肌に使えます。(肌に刺激を感じるときは、使用をやめましょう)
    • 乾燥肌には、カモミールネロリをブレンド。
    • 混合肌には、ラベンダーローズをブレンド。
    • 脂性肌には、ゼラニウムイランイランをブレンド。
  • 乾燥した髪、ダメージヘアーに。
    • シダーウッドサンダルウッドをブレンドして、シャンプーに混ぜます。

その他の使い方

  • 空気をリフレッシュし、悪臭を防ぎます。
    • 消臭用なら、フェンネルジュニパーローズマリーなどをブレンド。
    • キッチンの消臭・掃除用なら、グレープフルーツをブレンド。
      オレンジだけでもOK。

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Herb therapy ハーブセラピー

作用消化機能サポート、循環サポート、鎮静、高揚、鎮痙、抗炎症、矯味
適用食欲がない、元気が出ない、ストレス、体を温める
注意

ハーブティーには、乾燥させたオレンジピール(果皮)を使用します。

オレンジにはビターとスイートがあり、どちらも同じように利用できます。

胃に対する作用はオレンジ・ビターのほうがすぐれていますが、より甘い風味が欲しいときや、気持ちをおだやかにしたり明るくしたいときはオレンジ・スイートのほうが適しています。

使い方の詳細は、オレンジ・ビターのページにまとめています。

Cooking 料理

風味ジューシーで爽やかな柑橘風味
主な特徴甘いデザートやお菓子、ドリンクの風味づけに多用される
作り置きシロップ、アルコール

オレンジ・スイートは、果実も果皮も料理に使うことができます。

オレンジならではのジューシーで甘酸っぱい風味のために、まるごと食べたりジュースに加工したり果肉や果汁を風味付けに使ったりなど、世界中でかなり幅広く使用されています。

果皮も削ったり刻んだりして使うことができますが、苦みやスパイシーなアクセントがほしいときにはオレンジ・ビターの果皮のほうが有効です。

果皮の使い方の詳細は、オレンジ・ビターのページのほうにまとめています。

世界の料理

  • オランジェット/Orangette
    砂糖漬けのオレンジピール(果皮)にチョコレートをかけたフランスのお菓子。
  • ポルトカロピタ/Portokalópita
    ギリシャのオレンジケーキ。
    オレンジ果汁とギリシャヨーグルトを混ぜた生地に、オレンジやスパイスで風味付けしたシロップをたっぷりとしみ込ませます。
  • メロマカロナ/Melomakarona
    ギリシャでクリスマスに食べるデザート。
    オレンジピール&果汁、ハチミツ、オリーブオイル、シナモンなどのスパイスを生地に混ぜて焼き、刻んだクルミをまぶします。

ワインにオレンジやスパイスで風味をつけることは、ヨーロッパ各国で伝統的に行われています。
クリスマス時期には欠かせないドリンクです。

  • マルドワイン/Mulled wine
    イギリスのホットワイン。
    ワインやリンゴ酒に、マリングスパイス(シナモン、クローブ、オールスパイス、ナツメグ、ローリエなどのミックススパイス)を入れて温め、オレンジスライスを加えます。
  • グリューワイン/Glühwein
    ドイツのホットワイン。
    赤ワインにオレンジスライス、シナモン、クローブなどを入れて温めます。
  • サングリア/Sangría
    スペインのフレーバーワイン。
    ワインにオレンジ、レモン、アップルなどのフルーツ、シナモン、クローブなどのスパイスを入れ、1晩浸け込みます。炭酸水やオレンジジュースで割ってもOK。

アイディア

food

  • カットしたオレンジに、スパイスパウダー(シナモン、カルダモン、ナツメグなど)と、バニラシュガーをかけて食べる。
  • フルーツサラダのドレッシングを作るとき、レモン果汁の代わりにオレンジ果汁を使う。

dessert

  • 砂糖を煮詰めてカラメルを作り、そこに蒸留酒に浸けたオレンジを入れ、両面にカラメルをつけたら棒に刺して乾かす。
    この「カラメルオレンジ」は、18世紀によく作られていました。

drink

  • スライスオレンジを、アイスティーやハーブティーに浮かべる。
  • 鍋にオレンジジュース、アップルジュース、果皮にクローブを埋め込んだオレンジ、輪切りレモン、くし切りリンゴ、シナモン、ジンジャーを入れて温める。
  • オレンジピール&果肉、ジンジャー、ヨーグルト、ミルクをミキサーに入れ、スムージーを作る。

食品フレーバー

  • オレンジ・スイートとビターでは、スイートのほうがより幅広くフレーバーとして使用されます。
  • オレンジ・スイート精油は、リキュールなどのアルコール飲料、ソフトドリンク、アイスクリーム、キャンディー、焼き菓子、ゼリー、ジャム、ソースのほか、あらゆる加工食品や調味料に使用されています。

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Gardening 園芸

種類常緑小高木
背丈高さ4~10m
環境温かくてたっぷりと日光が当たり、適度に乾燥した場所

STORY

レンジは、マンダリン(Citrus reticulata)とポメロ(C. maxima)の交配種です。

オレンジ・ビター(C. aurantium)はマンダリンとポメロが同等に混じっていて、オレンジ・スイート(C. sinensis)はマンダリンの性質のほうが強くなっています。


9~11世紀頃、まずはオレンジ・ビターの木がアラビア人によって地中海沿岸地方に持ち込まれました。

オレンジ・スイートがヨーロッパで知られるようになるのは、15世紀になってから。

この甘いオレンジは、ポルトガルの探検家たちがアジア(インドまたは中国)から持ち帰ってきたため、長らく「ポルトガルオレンジ」と呼ばれていました。


その後オレンジは食用フルーツとして人気になり、皆自分の庭にオレンジの木を植えたがりました。

しかし北ヨーロッパの気候ではオレンジの木は育たず、そこで「オランジェリー」という温室が貴族のあいだで流行します。

この温室の中はいつでも温かく、自然光がたっぷり入り、オレンジが育つのに理想的な環境を保てるようになっていました。

この設備は、後にほかの外来植物を育てる際にも大いに役立てられました。

姿かたち

  • 果実ははじめ緑色ですが、冬に熟すと明るいオレンジ色になります。
    この色の変化は気温の変化によるものなので、年中温かい地方では熟した果実でも緑色のままです。
  • 果実は低温にさらされると色素の生成が促進され、オレンジ色に色づきます。
    そこからまた温度が変わると緑色になったりまだらになったりいろいろと変化します。
    これを防いで一定のオレンジ色を保つために、エチレンガスが使用されることもあります。
  • 果実にはいくつか種が入っていて、果皮には精油が含まれています。
  • 星型の白い花には、甘い芳香があります。
    オレンジ・ビターの花より少し小さいです。
  • 光沢のある美しい葉を持っています。
    オレンジ・ビターの木に比べ、トゲは少ないです。
  • まれに、花や葉からも精油を採取することがあります。
    • オレンジ・スイートの花から採った精油は、「ネロリ・ポルトガル」といいます。
    • オレンジ・スイートの葉と小枝から採った精油は、「オレンジスイートプチグレン」といいます。

栽培と収穫

  • たっぷりと日光が当たり、適度に乾燥した暖かい地域でよく育ちます。
  • 霜や寒さに弱いため、寒冷地域では屋内に入れる必要があります。
  • オレンジ・スイートは、世界中でもっとも広く栽培されている柑橘類です。
  • とくに大規模に栽培されている地域は、アメリカのカリフォルニアとフロリダ、ブラジルなど。

購入と保存

  • 果皮にピンとしたハリとなめらかなツヤがあり、オレンジ色が鮮やかなものを選びます。
  • 持ったときにずっしりと重みがあるものは、果汁がたっぷり含まれています。
  • 冷暗所で保存しますが、ほかの酸味の強い柑橘と比べるとあまり日持ちしません。(1ヵ月くらい)

名前の由来・伝説

  • 「orange/オレンジ」の語源は、サンスクリット語の「naranga」。

園芸品種

オレンジ・スイート(Citrus sinensis)は、「バレンシア」「ネーブル」「ブラッド」の3種類に分類できます。

Valencia orange / バレンシアオレンジ
学名Citrus sinensis ‘Valencia’
別名コモンオレンジ
  • オレンジ・スイートのもっとも一般的な品種で、もっとも広く栽培されています。
  • スペインのバレンシアから名前がとられましたが、主産地はアメリカ・フロリダ州、メキシコなど。
  • 風味豊かで香りの良い、甘酸っぱいオレンジ。
  • 果汁が多くジューシーで、オレンジジュースの原料としてよく使用されます。
  • 果皮を圧搾して精油を得ます。
    または、果実を圧搾して果汁と精油を分離させます。
  • 精油の成分はd-リモネンが90%以上を占めますが、香りを特徴づけているのは、わずかに含まれるアルデヒド類とシネンサールです。
Navel orange / ネーブルオレンジ
学名Citrus sinensis var. brassiliensis Tanaka
別名
  • 華やかで芳醇な香りがする、甘いオレンジです。
  • 甘くてジューシーなので、生で食べるのに適しています。
    オレンジジュースの原料としても使用されます。
  • 果皮を圧搾して精油を得ます。
Blood orange / ブラッドオレンジ
学名Citrus sinensis ‘Moro’ など
別名
  • 「Blood/ブラッド」というのは、果肉の色が血のように真っ赤だから。
    この色は、アントシアニン色素によるものです。
  • オレンジ・スイートから自然発生したと考えられており、18世紀から栽培されています。
  • 甘くてジューシーな風味があり、生で食べたりジュースを作るのに最適です。
  • そのほかジャムやドレッシング、シャーベット、ジェラートの原料にしたり、鴨料理のソースに使ったりもします。
    果皮をスパイスとして使うこともあります。
  • 果汁をソーダやカクテルの風味づけに使うと、色鮮やかなドリンクができます。
  • 果皮を圧搾して得た精油は、温かみのあるフルーティーな香り。
    バレンシアやネーブルとは一味違った個性があります。
  • ブラッドオレンジにはさまざまな品種があり、代表的なのは「Sanguinello/サンギネロ」「Tarocco/タロッコ」「Moro/モロ」の3品種。
  • 「サンギネロ」は、スペイン産のブラッドオレンジ。
    赤みがかった果皮と、甘くて柔らかい果肉が特徴です。
  • 「タロッコ」は、サンギネロの変異種で、イタリア産のブラッドオレンジ。
    それほど赤みは強くなく、非常に甘くジューシーで風味豊かなのが特徴です。
  • 「モロ」は、イタリア・シチリア島産のブラッドオレンジ。
    もっとも赤みが強く、甘く芳醇で、ラズベリーのような独特の香りを持っています。
オレンジ・ブラッドの輪切り

オレンジ・ブラッドを含む香水

「Orange Sanguine/オレンジ サングイン(Atelier Cologne、2011)」
「Empressa/エンプレッサ(Penhaligon’s、2014)」
「Chance Eau Vive/チャンス オー ヴィーヴ(Chanel、2015)」
「Polo Red Extreme/ポロ レッド エクストリーム(Ralph Lauren、2017)」
「Fantasia Mermaid/ファンタジア マーメイド(Anna Sui、2019)」
「Bitter Peach/ビター ピーチ(Tom Ford、2020)」
「Camélia K/カメリア ケイ(Ella K Parfums、2023)」

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