イランイラン精油のブレンドのコツ、ドラマティックな1滴を使いこなす!
イランイランの香りが好きか苦手かは、わりと意見が分かれるようです。
なにしろ甘くて濃厚な香りなので、たしかに使いこなすのがむずかしい精油の1つであることは間違いありません。
一方で、ブレンドする香りによってさまざまな表情を見せる興味深い香りでもあります。
ほんの1滴加えるだけでドラマティックな効果が期待できるので、レパートリーに加える価値のある魅力的な精油です。
このページでは、イランイランをうまく使いこなすためのブレンドのコツや相性のよい精油をまとめました。
すぐに使えるおすすめレシピもいくつかご紹介します。
ぜひお役立てください!
イランイランの香りの特徴
イランイランをほかの精油とうまくブレンドするために、まずは香りの特徴を把握しておきましょう!
多くのニュアンスを持つフレッシュフローラル
イランイランの香りは、とても立体的で複雑な感じがします。
それはイランイランが、フローラル、ウッディ、スパイシー、バルサミックなど、いろいろなタイプの香り成分を含んでいるため。
このことは、イランイランがいろいろなタイプの精油と結びつける可能性を示しています。
トップ~ミドルノート
イランイランは、基本的にミドルノートの香りです。
ブレンドの中心となる香りですが、拡散力も強いためトップノートにも影響を与えます。
トップノートの精油はたくさんあっても、華やかな印象を与える「フローラルのトップノート」というとそう多くはありません。
イランイランはブレンドの主役としてはもちろん、ブレンドに華やかな第一印象を与えるエッセンスとしても大いに役立ちます。
持続性はそこまでよくないので、手づくり香水などではベースノートの精油を加えましょう。
香りの強さは中くらい
イランイランの個性的な香りはブレンドの中で目立ちやすく、「このブレンドにはイランイランが入っているな」というのも比較的見分けやすい香りでもあります。
そのため「イランイランは超強い香り」というイメージがありますが、実はそうでもありません。
香りの強さは、中くらいです。
イランイランをブレンドに使うときは、ほかの香りをかき消してしまわないようにひかえめに使ったほうがよいのは間違いないです。
でも単純に滴数を減らすというよりも、何の香りをどのようにあわせるかのほうが重要だったりします。
イランイランがブレンドに与える効果
イランイランは、「名作」とよばれるような香水にもひんぱんに配合されています。
ブレンドにゴージャス感やエキゾチックな雰囲気を出したいときには、欠かせない精油です。
香りの華やかさ・アピール力がアップする!
イランイランをブレンドに加えると、パッと広がるような華やかさが生まれます。
この拡散性のよいフローラルなインパクトは、ほかの精油ではなかなか得られません。
とくにフローラルブーケ(花の香りの組み合わせ)のブレンドにイランイランを加えると、ほかの花々の香り立ちを強め、フレッシュでゴージャスな印象を強めます。
エキゾチックな雰囲気を出せる!
イランイランの酔わせるような香りは、いつもとちょっと違うエキゾチックな雰囲気を演出したいときに役立ちます。
たとえば、キャンドルの灯りでアロマバス、ヒーリングミュージックを聴きながらアロマトリートメント、など。
南国を想わせる甘い香りは、非日常へのスイッチにもぴったりです。
ポイントは、エキゾチック系精油をもう1種類いっしょに使うこと。
イランイラン単独でブレンドに混ぜるよりも全体になじみやすく、悪目立ちしません。
ブレンド全体の香りに深みが出て、安定感も増します。
サンダルウッド、パチュリ、ベチバー、パルマローザあたりがオススメです。
イランイランのブレンド方法
いざブレンドしてみると、なんだか思い通りにならないことも多いイランイラン。
イランイランに何を混ぜても結局できる香りはイランイラン…なんてことは、よくあることです。
この個性的で前に出やすい香りを、いかにしてほかの香りとなじませハーモニーをつくるか?がブレンドのカギとなります。
そこで、イランイランをブレンドするときは、ざっくりとした基本パターンを覚えておくと役に立ちます。
イランイランブレンドの基本パターン
イランイランの濃厚な香りをもう少しカジュアルで爽やかな雰囲気にしたいとき、まず1番に思いつくのは柑橘系をプラスすること。
しかしたいていの場合、柑橘系だけではまだイランイランが圧倒的に目立っています。
そこでもう1種類、重ための香りを足してバランスをとると全体がうまくまとまります。
- 柑橘系をブレンドする
- イランイランに柑橘系をブレンドするときは、2種類以上を使うのがコツ。
「お好きな柑橘系+レモン(ライムでもOK)+イランイラン」がベスト!
柑橘系のパートにも立体感を持たせることで、イランイランに負けずにお互いなじみやすくなります。
- 重ための香りをブレンドする
- さらに、柑橘系とイランイランのほかに、重ための香りをもう1種類足します。
エキゾチック系、樹脂系の精油などがぴったりです。
割合は、
「柑橘系:イランイラン:重い香り=3:1:1」
これをイランイランブレンドの基本パターンにして、アレンジしたりほかの香りを足したりしてみてください。
イランイランもほかの香りもどちらも絶妙に香って、すてきなハーモニーが生まれるはず!
おすすめブレンドレシピ
ベルガモット×2、レモン×1、イランイラン×1、パチュリ×1
イランイランとパチュリは、とても深みのある異国情緒ただよう組み合わせ。
柑橘系精油を2種加えることで、全体的に重すぎずまとまりのよいブレンドになります。
香りにメリハリを出すには?
イランイランの香りは、使う状況によっては「ちょっと甘くてまったりしすぎ…」と感じることもあるでしょう。
そんなときは、スパイス系精油をほんの少し足します。
イランイランの香りの奥には、ピリッとスパイシーな部分があります。
スパイス系の精油を足すことで、このイランイランのピリッとした部分を強調して、まったりした香りにメリハリをつけます。
ここでは、「ほんの少し」というのが重要。
スパイス系精油はあくまでも隠し味なので、目立たない程度に加えましょう。
おすすめブレンドレシピ
マンダリン×2、ライム×3、イランイラン×2、サンダルウッド×2、ジンジャー×1
イランイランとサンダルウッドの官能的な香りに、爽やかなスパイシー感をほんのり加えたブレンド。
ジンジャーにはフルーティー・ウッディーな部分があるので、このブレンドによくなじみます。
イランイランと相性のよい精油
香りの相性がよい精油
イランイランの香りは、フローラル系精油とは基本的に相性がよいです。
ネロリやローズなどとブレンドしてもうっとりするような華やかな香りになりますが、なかでもジャスミンとの相性は抜群です!
ウッディ系の香りも、イランイランの魅力をうまく引き出してくれます。
- ジャスミン
香りや成分に共通するところが多いので、お互いによくなじみます。
イランイランとジャスミンを足すと、どちらかを単独で使うよりも拡散性・持続性ともによくなります。 - サンダルウッド
イランイランとサンダルウッドは、ミステリアスで魅力的な組み合わせ。
お互いの香りが溶けあって、深く官能的な雰囲気をつくります。 - ベルガモット
甘さ控えめでフローラル感もあり、イランイランにあわせる柑橘系としては理想的です。
イランイランの香りをより華やかに、より受け入れやすくしてくれます。 - ローズウッド
イランイランとローズウッドを1:1でまぜると、よく調和のとれた使いやすい香りになります。
この2つの香りをブレンドの中心にすれば、よい香りになりやすい。
作用の相性がよい精油
イランイランは焦りや不安を抑えて落ち着かせ、気持ちを開放的にしてくれます。
髪を美しくする美容オイルとしての歴史も長く、スキンケアにも役立ちます。
癒しや幸福感を与えてくれる精油とのブレンドは、手作り香水やコスメにもオススメ!
- ラベンダー
イランイランでリラックスブレンドをつくりたいときに、まず第一候補となるのがラベンダー。
作用はもちろん、香りの面でもやさしさやナチュラル感をプラスしてくれます。 - ローズ
イランイランとローズのブレンドは、幸福感を高めてくれます。
女性系のトラブルにも役立ちます。 - シダーウッド
スキンケアやヘアケアによく使われる組み合わせ。
とくに、べたつきやすい肌や髪のお手入れには試す価値アリ!です。
イランイランと一緒に買うなら?
ベルガモット
イランイランブレンドに爽やかな柑橘系精油は欠かせませんが、なかでもオススメなのはベルガモット。
ただ明るいだけではない繊細さもある柑橘の香りは、あらゆるフローラル系精油と相性抜群!
イランイランだけではなく、ほとんどの精油とよく調和するので活躍する機会も多く、持っていて損のない精油です。
知っているとちょっと得すること
- イランイラン+ベルガモット+ローズ+バニラの構成は、香水でよく使われます。
イランイランにバニラをブレンドするときは、甘さがしつこくならないように爽やかビターなベルガモットを加えるのがポイント!
おすすめブレンドレシピ
ベルガモット×2、イランイラン×3、ローズアブソリュート×2、ベチバー×1、バニラ×1
イランイランの香りをしっかり感じられる、フローラルで甘くてロマンティックなブレンド!
香水やバスオイルを作ってハッピー気分に浸ってみてはいかがでしょう?
(肌につける場合、ベルガモットはFCFタイプを使用しましょう)
まとめ
華やかで官能的なイランイラン。
ブレンドに1滴混ぜるだけで、ほかの精油では得られない独特な趣を加えることができます。
いくつかのコツと基本的なパターンを覚えておけば、活用できる機会もきっと増えるはず!
ぜひいろいろな精油との組みあわせを試してみて、新しい香りの発見を楽しんでくださいね。