ラベンダーの香りをもっと使いこなすには?定番アロマブレンド4種&アレンジレシピ
ラベンダーといえば、アロマテラピーでは基本の精油です。
効能も使える範囲も幅広く、香りも上品なハーバルノートで何にでも合わせやすい。
「ブレンドにラベンダーを加えて大失敗!」ということはあまりないため、改めてその香りについて深堀りする機会もあまりないかもしれません。
しかし皆があたりまえに使っているラベンダーだからこそ、ブレンドの幅が広がれば差がつくし、新鮮な組み合わせを見つけて新たな一面を発見できれば嬉しいものです。
この記事では、主にラベンダーの「香り」の面からいろいろなアロマブレンドを考えてみました。
「この組み合わせはやったことない!」というものがあったら、ぜひチャレンジしてみてください!
ラベンダーの香りの特徴
まずはラベンダーの香りについて、その特徴や魅力を改めておさらいしておきましょう。
ラベンダーはどんな香り?
ラベンダーの香りは、フレッシュで甘いハーバルノートです。
しかしハーバルノートにありがちなツンとした刺激や強さはなく、軽やかでソフトなフローラルニュアンスがあるのが特徴です。
揮発性と持続力
ラベンダーはトップ~ミドルノートの精油です。
柑橘類などさらに揮発しやすい香りと組み合わせると、フレッシュな第一印象を高めることができます。
持続力はそれほどないので、揮発しにくい木や樹脂の香りを組み合わせることで香りが長持ちします。
香りの強弱
ラベンダーの香りの強さは、ほかの精油と比べると弱めです。
少し加えただけでほかを圧倒したり全体を支配したりすることはないので、ブレンドの失敗もしにくい精油といえます。
ニュアンス付けや隠し味としても使いやすいです。
そのかわり、ラベンダーをしっかり香らせたいときや強い香りと組み合わせるときは、ラベンダーを多めにブレンドすることが必要です。
ラベンダー精油の構成成分
ラベンダー精油の主成分は、酢酸リナリルとリナロール。
酢酸リナリルは、フレッシュで甘さと少し酸味もあるフローラルフルーティな香り。
クラリセージやベルガモット、ネロリなどと共通の成分です。
リナロールは軽やかなフローラルノートで、ウッディ、スパイシー、クリーミーなニュアンスも持っています。
ローズウッドやコリアンダーなどと共通の成分。
そのほか、ラベンダーの特徴成分ラバンジュロールと酢酸ラバンジュリル、ハーバル、ウッディ、シトラスなどさまざまな香りを持つ微量成分によってラベンダーの香りはできています。
ラベンダーの魅力
使える範囲が幅広い!
ラベンダーをアロマテラピーで使うとき、なんといってもその汎用性が大きな魅力となります。
まず作用の範囲が幅広いです。
鎮静、鎮痛、抗炎症、神経バランス調整、スキンケア、ストレスケア、眠りサポートなど…
そのうえ香りもあらゆる精油と相性がよく、全体の調和を乱すことがほぼありません。
そのためあらゆる目的のあらゆるブレンドに使うことができ、1本持っているとかなり役に立ちます。
バラついた香りをまとめる!
アロマブレンドを作ってみたけどなんとなく香りが粗くて心地よくない…
1つ1つの香りがバラバラに香って調和していない…
そんなとき、ラベンダーを足すと香りがまとまって滑らかになることがあります。
たとえば、シトラスやアロマティックなどの香りが鋭すぎて全体から浮いているようなときは、フレッシュさは保ちつつ香りの角を取って丸めます。
個性的なベースノートが目立って鼻につくようなときは、香りをやわらげてなじませます。
ブレンドになにか違和感を感じるときは、試しにラベンダーを加えてみましょう。
ラベンダーが必須の香調がある!
「フゼアタイプ」というのは、ラベンダーを核にして、ゼラニウム(またはローズ)、クマリン(天然香料ならトンカビーンズアブソリュート)を組み合わせた香調です。
この香調はラベンダーなしには成り立ちません。
また、爽やかなオーデコロンにもラベンダーはよく配合されます。
これはフレッシュなシトラスやハーブをふんだんに使う香調なので、香りをやわらかく心地よく調えるハーバルノートのラベンダーはとても重宝します。
ラベンダーを使った基本のアロマブレンド
ラベンダーはさまざまな香りとよくなじみ、心地よいハーモニーを作ります。
その中でもとくに相性がよく、一緒に使われることが多い組み合わせを「基本のアロマブレンド」として4パターン選んでみました。
- ラベンダー+オレンジ・スイート
リラックスの組み合わせとして鉄板。
フルーティで癒やされるやさしい香り。 - ラベンダー+ローズマリー
オーデコロンのフレッシュな香調でよく使われる組み合わせ。
爽やかで清々しい、明るい香り。 - ラベンダー+ローズ
フゼアタイプの香りにも応用できる組み合わせ。
品格を感じさせる優雅な香り。 - ラベンダー+バニラ
男女関係なく香水でよく見られる組み合わせ。
洗練されたやわらかい雰囲気の香り。
どれもそのままでも良い香りですが、さらに精油を足してアレンジしても楽しめます。
1つずつ、詳しく見ていきましょう!
基本のアロマ①「ラベンダー+オレンジ・スイート」
「ラベンダー+オレンジ」の組み合わせは、リラックスのためのアロマブレンドとしておなじみです。
この組み合わせはTVや雑誌などでもよく言及されるため、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか?
明るく包み込むような香りなので、1日の終わりのリラックスタイムや寝るときにもぴったりです。
疲れたり傷ついたりした心も癒やし、心配事もやわらげてくれるような温かさがあります。
「ラベンダー+オレンジ・スイート」の比率
リラックスのための黄金比は、ラベンダー2:オレンジ・スイート1。
この比率で作ったブレンド精油も、各アロマブランドから出ています。(常備しておくと便利)
↓たとえば…
香りの性質としてはどちらを多くしてもハーモニーが壊れることはないので、自由に加減してOKです。
「ラベンダー+オレンジ・スイート」に足すとよい精油
- カモミール・ローマン
リンゴのようなフルーティな甘さがプラスされ、よりくつろいだ雰囲気に。 - イランイラン
緊張した気持ちをゆるめると同時に、フローラルな深みと奥行きも与えます。 - コリアンダー
全体の穏やかな雰囲気を壊すことなく、ピリッとした適度な刺激を加えます。 - サンダルウッド
ラベンダーとオレンジの明るいトーンを落ち着かせ、静かな安らぎの香りにしたいときに。
「ラベンダー+オレンジ・スイート」のアレンジレシピ
- ラベンダー×4、オレンジ・スイート×2、カモミール・ローマン×1
寝室におすすめのブレンド。
カモミールの香りは強いので、控えめにブレンドします。 - ラベンダー×3、オレンジ・スイート×2、コリアンダー×1、ネロリ×1
休日などに肩の力を抜いて過ごしたいときに。
爽やかな甘さが気持ちの良い香りです。 - ラベンダー×2、オレンジ・スイート×3、イランイラン×1、サンダルウッド×2
静かな落ち着きと安心感をもたらすブレンド。
深みのあるやわらかな香り。
基本のアロマ②「ラベンダー+ローズマリー」
「ラベンダー+ローズマリー」は、クラシックなオーデコロンやメンズフレグランスで定番の組み合わせです。
温かみのあるアロマティックな香りは地中海の海や太陽を想わせ、フレッシュで爽やかな柑橘類とも相性抜群。
ラベンダーを日中使いするときにおすすめのアロマブレンドです。
「ラベンダー+ローズマリー」の比率
ラベンダーとローズマリーを比べると、ラベンダーのほうが香りも拡散力も弱いです。
ラベンダーの香りを活かしたいときは、ラベンダー多め、ローズマリーは少なめにブレンドしましょう。
「ラベンダー+ローズマリー」に足すとよい精油
- レモン
ラベンダーの酸味を引き立て、香り全体をキリッと引き締めます。 - ペパーミント
涼し気な甘さと目の覚めるような鮮やかさをもたらします。 - タイム
香りに熱気と強さをプラスし、アクティブな雰囲気を高めます。 - ネロリ
フレッシュな印象はキープしつつ、やわらかいフローラル感と爽やかな深みを加えます。
「ラベンダー+ローズマリー」のアレンジレシピ
- ラベンダー×2、ローズマリー×1、レモン×3
定番のリフレッシュブレンド。
ラベンダーが入ることで香りが尖りすぎず、親しみやすい雰囲気になります。 - ラベンダー×3、ローズマリー×1、ペパーミント×1、シダーウッド・アトラス×1
活気のある爽快感を演出したいときに。
ラベンダーの涼しい面を引き出すブレンド。 - ラベンダー×3、ローズマリー×2、ベルガモット×2、タイム×1、ネロリ×1
アロマティックで清々しい、メンズっぽい香り。
ラベンダーがすべての香りをまとめます。
基本のアロマ③「ラベンダー+ローズ」
「ラベンダー+ローズ」を組み合わせると、イングリッシュガーデンや伝統的なポプリを想わせる上品な香りになります。
重厚感のあるエレガントな雰囲気を演出したいときにおすすめです。
また、フゼアタイプの香りを作りたいときも、この組み合わせを中心にレシピを考えます。
情緒不安定なときなどは、気持ちをなぐさめて華やかな気分にさせてくれるブレンドです。
「ラベンダー+ローズ」の比率
ローズの香りは精油でもアブソリュートでもかなり強いです。
ラベンダーを中心とした香調を作りたいときや、ラベンダーをしっかり香らせたいときは、ラベンダーを多めにブレンドしましょう。
「ラベンダー+ローズ」に足すとよい精油
- ベルガモット
香りの華やかさを高め、自然なメリハリを出します。 - ゼラニウム
ローズの香りの補強として。
または、甘い雰囲気にしたくないときはローズを抑えて(または省いて)ゼラニウムを使うとよいです。 - ベチバー
フローラルをやさしく持続させるので、ベースノートに使うと◎。 - オークモス
少しだけ加えると、香りのなめらかさやエレガントさが一段と深まります。
「ラベンダー+ローズ」のアレンジレシピ
- ラベンダー×2、ローズ×1、ベルガモット×3
ラベンダーとローズを華やかに拡散させるシンプルなブレンド。 - ラベンダー×3、ローズ×1、レモン×3、ゼラニウム×1、ベチバー×1
シトラスの軽さとベチバーのやさしさを入れることで、エレガント感が少しカジュアルになります。 - ラベンダー×4、ローズ×1、ベルガモット×1、トンカビーンズ(20%)×1、オークモス(20%)×1
ラベンダーが主役の、フゼアタイプの香り。
トンカビーンズやオークモスが手元にあれば、試してみてください。
基本のアロマ④「ラベンダー+バニラ」
「ラベンダー+バニラ」は、男女関係なく香水でよく見られる組み合わせ。
とてもやわらかくて洗練された魅力的な香りを作ることができます。
この組み合わせはスイーツやデザートでもおなじみですが、ささくれだった心もなめらかにして人の表情をほころばせるような幸せの香りです。
「ラベンダー+バニラ」の比率
バニラの香りはとても強いです。
ラベンダーと組み合わせるときは、あくまでも「ほんの少し足す」というのがポイント。
たとえわからないくらいの量だとしても、確実に香りが甘くソフトになります。
「ラベンダー+バニラ」に足すとよい精油
- クラリセージ
ラベンダーによくなじみ、ハーバルノートに深みを出します。
フェミニンではない柔らかさが欲しいときに。 - ジャスミン
華やかな表情と高級感をプラスします。
あくまでもラベンダーが主役なので量は控えめに。 - クローブ
うっとりさせるような甘いスパイシー感が加わります。 - パチュリ
香りに温かみとボリュームを加えます。
「ラベンダー+バニラ」のアレンジレシピ
- ラベンダー×4、バニラ×1、ジャスミン×1
やわらかく深みのあるフローラルな香り。
これにトップノートやベースノートを加えてもOK。 - ラベンダー×5、バニラ×1、ライム×1、クラリセージ×2
スッキリとした透明感のある香り。
ラベンダーにいろいろな表情をさり気なく与えます。 - ラベンダー×3、バニラ×2、ベルガモット×2、クローブ(50%)×1、パチュリ×1
重厚感のある甘い香り。
温かさと爽やかさのバランスをラベンダーが保ちます。
まとめ
ここまで、ラベンダーを使った基本のアロマブレンドとそのアレンジレシピをご紹介してきました。
ラベンダーの新たな一面、新たなお気に入りレシピは見つかりましたか??
ラベンダーはさまざまな香りと快く混じり合ってくれるので、思い切った冒険もしやすいはずです。
ぜひ色々なラベンダーブレンドにチャレンジしてみてくださいね!
【香り植物・ハーブ図鑑】ラベンダー
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