クラリセージ精油はどんな香り?とっておきのブレンドテクニックと香調別レシピもご紹介!
アロマテラピーでも定番人気のクラリセージ。
ホルモンバランスを整えたり女性をサポートする作用が有名ですが、その「香り」自体にスポットを当てられることはそう多くありません。
「使うシチュエーション、ブレンドする精油がなんとなくワンパターンになりがち…」という方も多いのでは?
クラリセージはいかにもブレンドの主役になるような特徴的な香りとはいえませんが、さまざまな香調を効果的に引き立てるポテンシャルの高い精油です。
この記事では、クラリセージの香りの特徴、香調別のブレンドテクニック、相性の良い精油、おすすめレシピなどをたっぷりとご紹介します。
これから精油のブレンドをするときは、きっとクラリセージの出番が増えるはずです!
クラリセージの香りの特徴
クラリセージの香りは、香水でもアロマテラピーでもあまり主役になることはありません。
どちらかというと単体で完成された香りというより、ほかの香りと結びつくことで生きてくる香りといえます。
まずはクラリセージの香りについて、詳しく分析してみましょう。
クラリセージってどんな香り?
クラリセージは、すっきりした甘さのあるハーバル・アロマティックな香りです。
ほんのりと干し草・ナッツのようなニュアンスも持っています。
ハーブや香草の香りには独特の薬っぽさや刺激を感じるものが少なくありませんが、クラリセージにはそれがないのが最大の特徴。
「ツンとくる」「スッとする」「ザラッとする」などの “ひっかかり” がなく、どこまでもやわらかく滑らかな印象の香りです。
クラリセージという植物自体「ベルベットのような大きな葉」「やわらかい色の美しい花」など、ハーブとしてはかなり目立つ姿をしていますが、精油の香りも健康的なハーバルノートだけではない優雅な艶っぽさがあります。
香りの性質は?
クラリセージは基本的にミドルノートの香りですが、軽くフレッシュな成分も含まれているためトップノートにも影響を与えます。
とはいえハーバル系精油の中では比較的揮発しにくく、香りが長持ちする傾向にあります。
香りの強さは中くらい。
ほかの香りをかき消すような強さはありませんが、量が多いとブレンド全体のメリハリを覆い隠してしまうのでご注意を。
あくまでも引き立て役として適量を使うのがおすすめです。
構成成分は?
クラリセージ精油の主成分は、酢酸リナリルとリナロール。
どちらも軽やかなフローラル調の香りを持っていますが、酢酸リナリルには甘いフルーティニュアンス、リナロールには穏やかでパウダリーなニュアンスもあります。
この2つはクラリセージのやわらかい雰囲気を特徴づける大事な成分です。
ラベンダー、ベルガモット、プチグレン、ネロリなどもこの2つの成分を共通して含むため、クラリセージとブレンドするとよく馴染みます。
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さてここからは、どのようなときに何とどのようにブレンドすればいいのか?
具体的なテクニックやレシピを見ていきましょう。
香調別にご紹介していきます。
爽やかフレッシュな香調にやわらかな深みを与える
クラリセージを爽やかフレッシュな香調にブレンドすると、香り全体に「深み」「奥行き」「やわらかさ」を与えることができます。
ブレンドテクニック
シトラスやハーブをふんだんに使った明るく爽やかな香りは、性別、年齢、シチュエーションを問わず人気があります。
ただこのタイプの香りは、下手すると「単純」「ありがち」「無難」になりやすいという側面も…。
「ちょっと子供っぽいかな?」「カジュアルすぎるかな?」「無邪気すぎるかな?」と思うこともあるでしょう。
そうなると複雑さや変化を与えてくれる香りを何か足そうと考えるわけですが、このようなときにこそクラリセージを使ってみましょう!
クラリセージの香りはスッキリとした爽やかさと深みのある柔らかさを併せ持っているので、ブレンドのフレッシュ感を損なうことなく「落ち着き」「深み」「ミステリアスさ」を加えてくれます。
これは、爽やかさと落ち着きを両立させたいメンズフレグランスにクラリセージがよく使われる理由の1つです。
また、爽快感を狙った香調には拡散力のある香りをたくさん使うため、全体的に鋭くトゲトゲしい香りになることがあります。
トップノートの中でもとくに揮発性の高い精油は、ミドルノートに馴染みにくいこともあります。
そんなときクラリセージをブレンドすれば、尖った香りを丸め、トップ~ミドルの橋渡しもしてくれます。
ブレンドすると良い精油
- クラリセージ+レモン
レモンのフレッシュ感が鋭すぎて他から浮いているように感じるとき、クラリセージを少量加えてみましょう。 - クラリセージ+ラベンダー
この2つは構成成分が似ていることもあり、ブレンドすると1つに溶け合いきれいなハーモニーを作ります。 - クラリセージ+タイム
エレガントで温かいメンズライクな香り。
タイムのメディカル感や苦みをクラリセージがうまく和らげます。 - クラリセージ+プチグレン
グリーンウッディな相性の良い組み合わせ。
ベチバーやシダーウッド・バージニアなど、落ち着いたウッディノートを合わせるとよいです。
レシピ例
- クラリセージ×1、レモン×2、ラベンダー×1
クラリセージとラベンダーの同量ブレンドは鉄板!
レモンも加えれば、やわらかいフレッシュ感が魅力のユニセックスな香りに。 - クラリセージ×1、ベルガモット×2、ラベンダー×5、タイム×1
ラベンダーがメインのアロマティックな香調に、クラリセージを隠し味としてブレンド。
メンズフレグランスにおすすめの香りです。これにネロリかジャスミンを足しても。 - クラリセージ×2、レモン×1、オレンジ×2、プチグレン×2、ベチバー×1
クラリセージ+プチグレンの明るいアロマティックグリーンを主役にしたブレンド。
ベチバーの量を多くすれば、ワイルド感がアップします。
フローラルな香りにナチュラルなグリーン感を与える
さて次は、フローラルな香りにクラリセージをブレンドする方法です。
ゴージャスで華やかなフローラルノートにクラリセージをブレンドすると、適度にナチュラル感を出しつつ魅力的なグリーンニュアンスも与えてくれます。
ブレンドテクニック
フローラルな香りをブレンドすると、思いのほか甘くなりすぎたりフェミニンに偏りすぎたりすることってありますよね。
こういうときはグリーン系の香りを足して清々しさを出すのがおすすめ。
ただ、「あくまでも主役は花だからグリーン系は強く出したくない」「ほんの少し甘さを抑えられればいい」ということもよくあります。
そんなときはクラリセージをブレンドしてみましょう。
クラリセージの香りにはハーバルグリーンとフルーティフローラルなノートがバランスよく含まれているため、甘い花の香りと自然に結びついて絶妙なナチュラル感を与えてくれます。
香水でも、豪華なシプレノートのニュアンスづけにクラリセージを少量使うことがあります。
ブレンドすると良い精油
- クラリセージ+ローズ
高揚感と多幸感にあふれた、気取りのない自然体のローズ香。 - クラリセージ+イランイラン
イランイランの濃厚な甘さを活かしつつ、より親しみやすいフレッシュフローラルに。 - クラリセージ+ネロリ
ネロリが持つ爽やかなグリーンノートをクラリセージが引き出します。
ユニセックスな雰囲気にしたいときにも◎。 - クラリセージ+コリアンダー
ピリッと温かみのあるフルーティスパイシーな組み合わせ。
フローラル調にアクセントをつけたいときにぴったりです。
レシピ例
- クラリセージ×1、ローズオットー×1、イランイラン×2
まずはこのブレンドで、華やかなフローラルにクラリセージがナチュラル感を与えるのを実感してみてください。 - クラリセージ×2、ネロリ×2、コリアンダー×1
爽やかでスッキリしたフルーティフローラルを楽しめるブレンド。
さらに柑橘精油をたくさん足してコロン調にしても◎。 - クラリセージ×1、ベルガモット×1、ジャスミン×2、パチュリ×2、オークモス(20%)×1
シプレタイプの華やかな香りに、隠し味としてクラリセージを使った例。
クラシカルな印象をほんの少し崩してリラックス感を出します。
オリエンタルな香調にスッキリとしたコクを加える
重厚なオリエンタル調に爽やかな要素を入れたいとき、少しだけスッキリした印象に変化させたいとき、クラリセージをブレンドしてみましょう。
ブレンドテクニック
オリエンタル調の香りにスッキリとしたアクセントを加えたいときは、アロマティックで爽やかなハーブやスパイスを使うと効果的です。
そしてその候補の1つがクラリセージ。
クラリセージの香りはスパイスほど強くなく、ほかのハーブよりフレッシュ感がやわらかいので、重ための香りともブレンドしやすいです。
濃厚な香りのあいだに吹くそよ風のように、清々しさとスッキリしたコクを与えてくれます。
トップノートの「軽いシトラス」とベースノートの「重いバルサム、ウッディ」という、分離しやすい香り同士をつなげる役としても優秀です。
ブレンドすると良い精油
- クラリセージ+ベルガモット
華やかなベルガモットはオリエンタル調のトップノートによく使われますが、クラリセージを合わせることでベルガモットの持つフローラルニュアンスがより際立ちます。 - クラリセージ+サンダルウッド
ミルキーで重厚なウッディノートを引き立てつつ、すっきりした透明感も感じさせます。
これにローズなどのフローラルノートをブレンドするとよいです。 - クラリセージ+バニラ
精油で「アンバーノート」っぽい雰囲気を出したいとき、バニラを多めにブレンドしてクラリセージを少し加えてみましょう。 - クラリセージ+クローブ
オリエンタル調の甘さに深みを出したいときにおすすめの組み合わせ。
少量だけ使うのがポイント。
レシピ例
- クラリセージ×2、パルマローザ×2、サンダルウッド×3
ほどよく重厚感のある組み合わせ。何か足したりアレンジもしやすい。 - クラリセージ×1、ベルガモット×3、ジャスミンサンバック×2、バニラ×2、パチュリ×1
紅茶のような爽やかさと濃厚な甘さが一体になったオリエンタルノート。 - クラリセージ×2、ローズアブソリュート×1、サンダルウッド×1、バニラ×3、クローブ×1
まろやかで深い甘さのオリエンタルベース。
これだけだと少々しつこいので、ベルガモットやラベンダーなど涼しい香りを足すと◎。
まとめ
クラリセージってどんな香りなのか?そして具体的にどうやってブレンドすればいいのか?
ここまで香調別にテクニックやレシピを見てきました。
クラリセージ精油は実にいろいろな使い方ができる!ということをイメージしていただけたでしょうか?
ぜひ今日からクラリセージをたくさん使って、よりバリエーション豊かな精油ブレンドを楽しんでくださいね!